リンクはこちら。
年末積読在庫処分ということで、Kindle日替りセールでポチった一冊を手に取る(Kindleなので「手に取る」は比喩ね)。
文章修行を試みているものとしては、この手の本は定期的にインプットしておきたい。
論文の指南書は数あれど、本書はその中でもロングセラーに入るようだ。
理系学生・研究者向けの論文の作法については今年だったかに読んだが、本書はもう少し基本的な考え方から遡って解説する。
論文ダメ夫くんに先生が指導するという程で、内容の脱線も含め、好き嫌いは別れるのかもしれないが、論文とは何か、実際の取り組み方、約束事に至るまで詳らかにされる。
文章は構成が決まると書きやすくなるものだが、その構成をどうするかで詰まるのが実際で、そこに対する著者なりの方法論を示している点が、なるほどと思わされる。
構成でいうと、良く文章作法で言われる「起承転結」は漢詩にルーツが、「序破急」は能楽にルーツがあるだけなので、少なくとも論文には関係ない、といった脱線話に「へー」。
更に言うと幼い頃に書かされた「読者感想文」は、論文でも要約でも報告でもないし、自由にといいながらボロクソに書いてはいけないなどの無言のルールがあったりして意味不明、というのには苦笑するしかない。
寧ろ作文を嫌いにする可能性もということで、あれはなんだったのかという脱力感と、思い切り宿題に入っている娘になんと指導するか悩む、というのは、なんとも。
とはいえ、あれだけ厳密な構成、思考も含めた方法論、お作法を本書で理解し、ちゃんと実践できるよう練習することは、実際仕事でもかなり役立つだろうと感じた。
作業みたいな仕事は別だが、企画的な要素だったり、開発系の業務であれば、常識として抑えておくべきところだろう。
いやはや、高等教育というのはやっぱり意味があるのである。
まぁ、ご参考ということで。
さて、小生は本日で今年の仕事納めである。
今年も多くの方に駄文を披露してしまったことを申し訳なく思うのだが、読んでいただいたことには深く感謝しつつ、来年もよろしくご愛顧をお願い申し上げる次第。
年内暇であれば、一年の読書の振り返り記事を書くし、暇じゃなければ年明けに。
では皆さん、良いお年を。