ファンドに在籍していた期間や、人材の仕事をしていた期間、プロ経営者と呼ばれる人たちには何人かお会いしてきた。
それぞれに魅力のある人達で、なるほど「担がれるに足りる神輿」であることが、まず大事なのだなと感心した記憶がある。
能力、経験、人間性(性格)。
心技体という先輩もいたし、最もまとめて人間力と言う人もいたけれど。
個人的には再生請負人的なプロ経営者の生き様に憧れもあったので、そういう人には深いインタビューをしてしまう。
具体的に再生のために何を行うのか、といったことが中心である。
これについては、以前にも書いたが、大体は本業をしっかりやることに徹することが多い。
もちろん、事業が衰退に向かっている中で、今まで通りのことをやっていていいの、と思うのだが、大概の再生会社は、当たり前のレベルが下がって苦境に陥っていることが多い(もちろん競合が当たり前のレベルを押し上げてついていけなくなった、ということもあるけれど)。
例えるならば、加齢が進行していく中で、なんとなく惰性で不健康な肉体になり、病気を患ってしまったようなもの。
もちろん加齢には逆らえないのだが、肥満や筋力低下、各種神経反射の低下を放置してきたところを、また動ける筋肉質な体に戻していくということが、再生請負人の多くが取り組む経営。
そのためには、生活習慣を変え、食事を変え、トレーニングをし、ということを続けなければならない。
ものすごく当たり前のことなのだが、では中年期・高年期で、筋肉質な体と呼べる人がどれだけいますかというと、かなり少ない。
そう、わかっていてもなかなかできない領域なのである。
何か魔法の杖のような方法が存在するわけではないし、奇策を弄する事なく、当たり前のこと、誰でも考えつくこと、わかっていることを、言い訳せずに、ちゃんとやりきる。
もちろん、高度な知性が求められる問題は、世の中に存在するけれども、小生の経験上、少なくともビジネスの場面では、実行の問題が圧倒的に多いと感じている。
答えを導き出すのが難しいのではなく実行することが難しい、しかし裏を返せば、ただ実行さえすれば良いのであって、なにも物凄く難しい問題にチャレンジする必要はないのである。
まぁ、ご参考ということで。