こんな記事を見た。
カード会社からのコメントはディスラプターに対する非難の要素もあるように思うが、アーリーアダプターにアタックするのは消耗戦になってしまっている、というのはよくわかる。
結局勝負はここから、になるのだが、実際はこれから「キャズム超え」の最も難しいポイントに直面するということか。
マクロな話はともかく、小生個人の利用体験で振り返ってみると、今後PayPayを使うイメージがわかないのは事実。
小生はオートチャージのPASMOを持っているため、使えるところは、ほぼそれで決済する。
0.5%の還元なら、オートチャージのクレジットカードと同等になってしまうし、こちらはスマホを出して操作する必要すらない。
現状すでにPASMOが使えない店を避けてしまうくらいだし、JRの駅施設ではセルフレジを優先的に使う。
日本の会社員は殆ど非接触ICカードを定期券として持っているから、大体の人ががSuica・PASMOの方が便利、という判断ではなかろうか。
で、さらにいうと現金、クレジットカードが存在するわけで、それよりメリットがあるんでしたっけ、というのが二次元バーコード決済の「これから」だと思う。
中国で普及したのは、それはそれは納得感のある理由があって、普及のために重要なポイントが日本には存在しない(銀行口座を持たない多数の国民、破格の決済手数料、プラットフォーマーの資金運用益、現金への低い信頼性、スマホサービス普及度、等々)中で、じゃあどうやったら普及するの?である。
まず、対クレジットカード・Suica・PASMOで言えば、現在それらが使えない決済シーンをどう開拓するか、だろう。
これはきっと大変な努力が必要になるだろう。
決済手数料を抑えるのだとすれば、スマホだから得られる個人データのマネタイズや利用機会の喚起を行えないと、ROIが合わない。
もう一つ、対現金の方は、小規模店舗向けのニーズになるんじゃないか。
一万円札を出すと申し訳ないとか、手数料の問題でクレジットカードが使えないとか、そういう場面で現金を置き換えられれば現金よりメリットが出るだろう。
しかしそうなると、超小口リテールにサービス普及を進めることになるので、これはこれで大変な気がする。
何が言いたかったかというと、ことほど左様に既存品というのは怖いのである。
大きく騒がれたけど、なかなか普及が進まないようなテーマは、何らかの形で既存のサービスがガッチリ食い込んでいることがある。
新しいサービスの構築には、広い視野を持って、競合分析をする必要があるんだよなぁと、再認識させられた記事なのであった。
まぁ、ご参考ということで。