人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

新説と珍説の狭間

新規事業の世界は、「次はこれが来る!」のオンパレードである。

本当に来るかもしれないし、一過性のものかもしれない。

 

ガートナーが発表している「ハイプサイクル」もあるけれど、あれを眺めても「ふーん」という感想くらいしか小生は思いつけない。

結局どこかのタイミングで、突っ込むか突っ込まないかの見極めをしなければならない。

 

マーケティングにおけるキャズム理論によれば、それはアーリーマジョリティに使ってもらえるか、使ってもらえるだけの完成度の高い製品になっているかの勝負(ニワトリタマゴではあるが)。

小生が昔々、金融商品の販売をしていた時に、アラブ諸国のどこかが原油の決済に、成立して数年が経過したユーロを導入したという囲み記事を読み、これはユーロの活用が広がるのではと仮説を持ってお客様にご提案し、随分儲けていただいたことがある。

 

そういう経験から、安直に流行りに飛びつくというよりは、アーリーマジョリティが導入するタイミングを見極めるのが良いんじゃないかと思っている。

こんな本を読んでいて、そんなことを思い出した。

 

過敏性腸症候群という病気があるのだが、従来原因はストレスであるとされていたところ、著者は小腸内(大腸ではない)細菌の過剰増殖によるものと主張する。

 

薬物治療も食事による改善も期待でき、研究の蓄積も成果も積み上がっているようだ。

本書の中でも、従来ストレスによるものとされていた胃潰瘍が、実はピロリ菌が原因であったことを引き合いに出し、過敏性腸症候群も同じであると説く。

 

医学系は特に、新説と珍説の見極めが難しいのだが、限りなく新説、それもアーリーマジョリティ到達直前という印象を持った(感覚論で申し訳ない)。

お腹の不具合に長年悩まされている人は、一度読んでみても良いと思う。

 

まぁ、ご参考ということで。