モノの本や、
- 作者: ジェームス W.ヤング,竹内均,今井茂雄
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 1988/04/08
- メディア: 単行本
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色々な研究によると、
Steven Johnson: Where good ideas come from | TED Talk
新しいアイデアを生み出すためには、一定量を超えるインプットと、少しの時間、そして刺激(移動や交流)が必要ということになっている。
多分それは本当で、小生が毎日10,000歩以上歩くのを止めないのは、歩いている時に色々なことを思いつくから、という事情もある。
しかし、である。
特に新規事業に関わっていると、面白いアイデアは物事の「起点」にはなるものの、新規事業が立ち上がってから先のストーリーは遥かに長く、全体に占める重要度は大きくないのでは、といつも感じる。
小生の感覚値でしかないが、全体の構想まで含めた、「広義のアイデア」が1割、収益モデルを含めたビジネスプランまで仕上げる作業が1割、社内調整が2〜3割で、立ち上がるところでまだ半分の手前。
残りの半分は事業を立ち上げてからの試行錯誤だ。
黒字化までをプロセスの全体だと仮定すると、黒字化に時間やパワーがかかれば、試行錯誤のウェイトがどんどん大きくなり、相対的にアイデアのシェアは、ますます小さくなっていく。
全体を構想フェーズと実行フェーズに分けたとすれば、黒字化までスムーズに進んだとしても、構想フェーズ(アイデア+ビジネスプラン)が2割、実行フェーズ(社内調整+事業実施)が8割という感じだ。
ここで明快なのは、”凄いアイデア”を求めすぎても効果は薄い、ということ。
もちろん、”ダメなアイデア”を無理に拾う必要はないが、「うーん、なんとも・・・」という程度だったら、実行フェーズに移しても良いと思う。
勝負は、8割を占める実行フェーズなのだから。
なので、企業の中で新規事業を構築するにおいては、凄いアイデアを選別するところにパワーを割くのではなく、それなりのアイデアを数多く実行に移せる体制を構築することが、本当は大事なのだと思う。
しかし、数多くのアイデアを実行に移すのは大変だ。
それはもちろんわかっている。
社内のリソース配分の問題もあるし、多産多死の結果になるから、その事実に耐えられるのか、という問題もある。
だから、荒削りでもいいし、楽しく進めていかないと辛くなってしまう。
ある種の”お祭り””文化”にしていくことが、とても大事だと思うのだ。
まぁ、ご参考ということで。