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知らないこと、できないことに価値がある ノーベル賞を2度も支えた企業の「やらまいか魂」
- 作者: 晝馬輝夫
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2014/06/20
- メディア: Kindle版
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最近ブックレビューばっかり(苦笑)。
それはともかく、本書は浜松ホトニクス社の中興の祖というべき人物によるエッセイである。
クライアント企業の知人が、新規事業にかける意気込みに触れる中で、本書の中の言葉を引用されていたのがきっかけで、読んでみようと思った次第。
エッセイという体裁であり、また雑誌取材がベースになっているのか、大変読みやすい。
浜松ホトニクス社をご存知ない方の為に一言添えると、ノーベル物理学賞を獲得された、小柴昌俊先生の研究で有名な、カミオカンデの主要部品を開発・製造しているメーカーである。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/浜松ホトニクス
財務的には超優良だし、最先端の領域で実績を作ってきた企業の、中興の祖の言葉なので、興味をお持ちいただける向きも多いことと思う。
本書の感想を一言で申し上げれば、「カッコよすぎる…」である。
未知・未踏の領域にチャレンジするからこそ、人・事業・企業・産業の存在意義はあるのであり、人真似では直ぐに価値のない競争に巻き込まれてしまうと。
実は次に読んでいるのが、ピーターティール氏の「ゼロ・トゥ・ワン」
なのだが、冒頭を読む限り、偶然にも同じことを述べているようである。
さて、本書では、光という研究分野で、最先端に関わっていた著者だからこそ語れる、力強いメッセージが数多く出てくる。
要約して列記すると、
・人類にはまだまだ未知の領域が圧倒的に多い。わかっているような顔をしているのは愚かなこと。
・学校で学べるのはその数少ない「わかっていること」でしかない。学校で学んだことを振りかざして、「できない理由」を並べ立てるのはナンセンス。
・航空力学は飛行機が実際に飛んでから、熱力学も蒸気機関が動いてから後付けで産まれた学問に過ぎない。手探りでも実現させようという、未知・未踏に挑んだ人が居たから進歩は産まれる。
・サイエンスとは、人知を超えた、神の領域に挑む尊い取り組みである。
・幸運の女神は、常に努力している人間にしか捕まえられない。
といった具合だ。
小生は必ずしも未知・未踏というわけではないが、新規事業というチャレンジを支援する立場。
この偉大な先人の言葉は、力強く背中を押してくれる感じがする。
何か新しいことにチャレンジしている人には、是非読んでみていただきたい一冊である。
まぁ、ご参考ということで。