人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

そこに愛はあるのか?

新規事業のお手伝いの仕事というのは、結構な割合で、「本業が厳しくなってきたから」という事情を背景にしていることがある。

もちろん新規事業をいかに立ち上げるかという観点でお手伝いするのであるが、社内で色々インタビューを重ねていく中で、「本業が厳しくなった」理由も、ぼんやりと浮かび上がってくるものである。

 

よくある理由の一つが、「ほんとはこういうの、ダメなんだけどねぇ〜」という現場の声に代表される、オペレーションの質の低下である。

業務標準の劣化とも言えるし、モラルの低下とも言えるが、環境の変化に現場のオペレーションが対応できず、そのまま「なぁなぁ」になっているだけなので、変えるのにはパワーが必要だが、現場では「正しい」とされていることを愚直に遂行することでしかなく、意外と簡単な気がする。

 

もう一つの理由が、社員の一人一人に「商品愛」「顧客愛」が薄くなってしまっているパターン。

「自分では買わない」「使わない」商品・サービスを、なんとなく売り続けていて、それが顧客の期待を裏切り続けているという自覚も忘れがちな状態に陥っている場合である。

 

これだけ物が溢れているご時世にあっては、消費者は「買う理由」、「必然性」を常に求めているのだと思う。

そういう中で、提供者側の「商品愛」「顧客愛」が感じられないものなど、絶対に買わないのではないだろうか?

 

もちろん、常に会社が、愛情をかけられる商品・サービスを用意できるわけではない。

金融商品の販売なんて、ヤクザな商売をやっていた小生は、その辺は良く分かっているつもりだ。

 

でも、難しい商品であればこそ、「それでも喜んでくれる顧客は誰か?」「商品ではなく自分を買ってもらえないか?」「組み合わせで何かを解決できないか?」といったような、「顧客愛」をベースにした戦い方はあるのではないかと思う。

最近ちょっと、現場から愛を感じられない場面に何度か遭遇してしまったので、ついつい僭越な物言いで恐縮である。

 

まぁ、ご参考ということで。