こんなことを考えるなんていよいよオッさんだなとツッコミを入れつつ…。
以前も言及したことがあるが、後藤新平の言葉に、「財を遺すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上なり」という言葉がある。
先日、ある会社の太陽光発電事業について、知人と会話をした際に、小生の個人的な意見として、あまり評価していない、という意見を述べた。
知人からすれば、タイミングの良い時期に投資をし、以降数十年に渡って(ルール上は)安定したキャッシュが入るので、良い判断だったのでは、というコメントであった。
もちろん、その会社の株主や融資している金融機関であれば、全くその通りの判断であろう。
しかしその様な投資というのは、裏を返せば「後には金しか残らない」リスクがあると考えるのだ。
安定したキャッシュフローが確定した投資など、なんの不確実性もなく、なんの工夫もいらないし、端的に言えばバカでも出来る(そういう案件を引っ張ってくることは立派だが)。
それで収益が確保できたって、その運営に携わる社員は、結局なんの経験もできず、使い物にならない人材が量産される可能性があるので、数十年が経過した後は、「金しか残らない。」
金が残ればいいじゃないか、と思われるかもしれないが、金というのは稼ぐことより、有益に使うことの方が難しい。
使い物にならない人材が、金だけ手にしたって、ロクなことにならないのだ。
だからこそ、「人が残る」ことを必死に考えなければならないのだと思う。
とは言え後藤新平は、「されど財無くんば事業保ち難く、事業無くんば人育ち難し」とも言っているらしいのだが(苦笑)。
まぁ、ご参考ということで。