人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

新規事業と企業トップの関与

新規事業の推進は企業全体の取り組みとして行わなければならない、というのは以前から申し上げている。

その中には当然、経営陣の関与(できればコミット)が含まれる。

 

新規事業は単なる収益機会というだけでなく、本業の再定義、神戸大学三品教授が転地と仰る超長期戦略の一端であり、経営そのものだからだ。

ただ、一つ一つのアイデアの是非や、戦術レベルの判断にまで関与すべきかと考えると、小生も迷う。

 

企業トップだからといって、一つ一つのアイデアに正しいジャッジが下せるとは限らない。

しかし、社長のジャッジを覆す力学は働かないから、誤った案件を進めてしまう可能性も、有望だったアイデアを潰す可能性もある。

 

その失敗の責任をなんらかの形で取ってくれるなら良いのだが、結果が明らかになる前に退任するかもしれないサラリーマン社長では「やりっぱなし」になってしまう。

すごくわがままを言うと、予算と損失の上限値を設定した上で、基本はジャッジせずに、全てやらせてみて欲しい。

 

無茶苦茶失敗すると思うが、コントロールされたリスクだし、失敗によって得られる学びはとてつもなく大きいのだから。

例えばこんなやり方はどうだろう。

 

起案時点でチームは最低三人、一定期間内にフィジビリティスタディ(それもユーザーの反応を見るフィジビリティスタディだ)をやり切った上で、所定の事業計画書を完成させる。

 

内容に虚偽がなければ、まず一千万円の資金提供、そしてマイルストーンを検討し、達成ごとに追加投資という格好でいい。

これだけで、捌き切れないほど応募がある、ということにはならないと思う。

 

企業トップは、その案件の進捗をできれば週次で聞いてあげて、アドバイスを求められれば個人としての見解を述べて欲しい。

誰かやってくれないかなぁ。

 

まぁ、ご参考ということで。