人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

どのリーグ戦を戦うか、の続き。

以前にも書いたが、別の表現をしておきたくて。
前回は「鶏口牛後」という説明をしたのだが。

いきなり極端な例で恐縮だが、カルロス・ゴーン氏にコピー取りやお茶汲みをさせようとする人は居るまい。
当たり前だが、彼の能力と仕事内容が見合わないからだ。

では、これから販路を拡大したいアジアの新興自動車メーカーの社長ならどうだろう。
オーナーが「金なら払う!」と言ってくれていたとして、あなたが彼ならどう考えるだろうか?

・これだけ競合ひしめく中で、勝ち筋はあるのか?
・それを実行するためのヒトモノカネはあるのか?
・上手くいかなかった時に、自分のキャリア上のリカバリープランは?
・報酬はそのリスクに見合ったものか?
・自分のキャリア人生の残りを賭けるに値する戦いなのか?

などなど、いろいろあるだろう。
上記何れも深いテーマだが、今日問題にしたいのは、彼が培ってきた経験やネットワークを、アジアの新興自動車メーカーで活かせるのか、である。

・数百億の投資を日常的に決断してきたから、数億円規模だと細かく精査しない癖があるかもしれない。
・常に優秀な部下がいたので、サイズの小さな組織で要求される作業レベルの仕事は苦手かもしれない。
・人脈は豊富だけれど、皆大企業ばかりでアジアの新興自動車メーカーとの付き合いを躊躇するところばかりかもしれない。
などなどなど。

別に、世の中階級社会だと糾弾したい訳ではない。
誰しも、身につけた能力や経験というのは、置かれた環境に最適化される傾向がある。

故に、その最適化された環境から大きく逸脱してしまうと、全くもって価値が出せないことがあるのだ。
その辺りを踏まえた上で、どの辺のビジネスで戦うのか、慎重に見極めたいところ。

日産OBでMr.GTRの水野氏は台湾メーカーに移ったようだし。
まぁ、ご参考という事で。