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「人工知能の核心」 読了 ~情報の整理にはちょうど良い~

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人工知能の核心 (NHK出版新書 511)

人工知能の核心 (NHK出版新書 511)

 

 

昨今なにかと話題になる人工知能

本書はNHKスペシャルの書籍化という体裁ではあるが、そのテーマを探求する主役に羽生善治名人をおいたところが、一般人の興味を惹くところ。

 

そんなわけで、一般人である小生も拝読した次第。

羽生名人が、人工知能研究の関係者に広くインタビューし、思うところを述べつつ、番組側からも解説が入るという構成。

 

内容そのものは、類書をそれなりに読んできた人、研究なりビジネスにおいて人工知能に触ったことがある人であれば、特段新しい知見はないと思う。

内容が当たり前でも、羽生名人が主役になっていると、また違った味わいがあるのでは、と思わせるところに本書の商業的な価値があるのかもしれないが、そうは言っても、バランス良く現実的な視座を提供しており、「新書」としての役割は十分に果たした良書だと思う(羽生名人が人工知能を!ということで、興味のない人が手に取るきっかけになるのであれば、なお素晴らしい貢献である)。

 

2年前の本ということで、日進月歩のこの領域において、古くなってしまっているのでは、という懸念もあったが、見る限りペッパー君が多めに取り上げられているくらいで、2019年のこの状況下では、大勢に影響はなさそうだ。

逆に言うと、本格的に普及期に入り、目新しいところで騒がれるのではなく、人工知能が当たり前の世界に突入しつつある証左、という風にも受け止められるのかもしれない。

 

軽く読んで情報を整理するには、ちょうど良い本ではなかろうか。

まぁ、ご参考ということで。