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「働く女の腹の底」 読了 〜やっぱり世の中は良くなっている、と思う〜

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働く女の腹の底 多様化する生き方・考え方 (光文社新書)

働く女の腹の底 多様化する生き方・考え方 (光文社新書)

 

 

博報堂キャリジョ研という、働く20〜30代の女性のインサイトを研究する有志のチームによるリサーチ・レポート。

世の中の消費は女性が回しているとも言われており、新規事業開発や商品開発の上で、女性のインサイトを理解しておくのは必須。

 

本書では、それら20〜30代の女性を7パターンに分類しており、それぞれの生活パターンや仕事・恋愛・消費などに対する考え方を、物語形式で解説していく。

後半に、ある種全体の総括的に、犬山紙子氏へのインタビューが掲載されている。

 

※犬山紙子

lineblog.me

 

で、その7パターンなのであるが、もちろんすべての女性がこの7パターンに納まるわけではないものの、「あぁ、こういう人、いるいる」という納得のペルソナ(さすが博報堂)。

そして、それぞれ全然違うキャラクターではあるものの、生身の人間としての考え方や生活に、それぞれ共感できるところもあり、とても面白いのであった。

 

たぶん、おじさん向けに、だと思うが、彼女たちの世界で流行っているものやキーワードに対して、いちいち脚注がついているけれど、小生の仕事柄というのはあるにせよ、そんなのは普通に知っているので、どんな「おじさん」が読むことを想定してるんや、と少し突っ込みたくはなった(ちなみに本書は2017年の調査なので、ほぼ最新キーワードと言って良い)。

むしろ、専業主婦願望など多数派ではなく、人生の様々な項目に優先順位をつけながら、時に真剣に、時に肩の力を抜きながら生きる姿は、親世代や小生の少し上の世代の呪縛から解かれつつあるようで、「日本もやっとまともな国になってきたんだな」と、少し安心する。

 

とは言え、後半の犬山氏へのインタビューで指摘される、まだまだ根深いハラスメントの実態であるとか、改善すべきことはあるのだけれども。

ちなみに、犬山氏は「マウンティングはコンプレックスの裏返し」と喝破しており、なるほどそう考えればイラつかないで済むなと感心した。

 

本書の冒頭で、男性は「あれか、これか」女性は「あれも、これも」というような分析をしているが(ケーキカット型とチャーム型と表現している)、我々男性サイドも、なんとなく小生から下の年代あたりから、「あれも、これも」に近づいているというか、本書の7パターンに近い人々が増えているような気がする。

そういう意味でも、性別に関係なく、時に真剣に、時に肩の力を抜きながら、自分らしい人生を生きるようになってきた今の世の中は、やっぱり良くなっていると思うんだよね。

 

まぁ、ご参考ということで。