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再起動 リブート―――波瀾万丈のベンチャー経営を描き尽くした真実の物語
- 作者: 斉藤徹
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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友人のベンチャー企業経営者から紹介を受け、読んだ本。
読むまで間が空いてしまい、申し訳ありませんでした・・・。
はっきり言って、読んでいてお腹が痛くなりそうだった。
日本のベンチャーマーケットの話で、小生も良く知る時代でもあり、「HARD THINGS」より遥かに生々しいと思う(以下ネタバレあり)。
背伸びをして資金繰りに苦しくなり、金策に走る。
いよいよ厳しくなった時、怪しいコンサルタントが入ってくる。
最初は大活躍のコンサルタントだが、次第に会社を食い物にするようになり、もっと苦しい事態になっていく。
そんな中でも新しい事業の目を作り、そのコンサルタントとも対峙する脂汗滴る交渉があり…。
Windows95、インターネット、iモード、ITバブル、リーマンショック…。
ベンチャーは、時代の波にも翻弄され続け、筆者と筆者が経営する会社の評価も天地を乱高下する。
正直、殆どの起業家は、もう少しうまくやれるんじゃないかと思う。
読んでいて、「社長それやったらアカン!」みたいな局面は多々あったし(それは南場智子氏の「不恰好経営」を読んだ時もそう感じたが)。
最終的には、本来自分が目指すべき姿に気づかれ、(現在進行形ではあるが)ハッピーエンド、というところでホッと一安心。
小生は起業経験はないし、起業しようと思ったこともないのだが、友人の起業家から聞くリアルな話と、本書のストーリーは、大なり小なりイコールである。
起業を考えている人に、何か参考になる本はないかと問われれば、小生は間違いなく本書を推薦するだろう。
万力で指を締め上げる拷問のような、あのストーリーを読んで、「自分ならもっとうまくやれる筈、もっとうまくやろう」と思うもよし、「うわぁ…」と思って考え直すもよし、いずれも本書で筆者が伝えたかったことに違いない(会社員が読んで、自分の恵まれた環境に感謝することもあるのかもしれないけれど…)。
いずれにしても、起業にはそんなに苦しい思いをしてもやめられない魔力があるようだから、正しく起業を促す本にもなっているのかもしれない。
ここ数年読んだ本の中で、ナンバーワンの「脂汗度」である。
まぁ、ご参考ということで。