先日、武術研究の延長でこんな本を読んだ。

プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ
- 作者: ポール・ウェイド,山田雅久
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2017/07/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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表紙がちょっとアレだし、「刑務所で密かに伝承されてきたメソッド」というのもフェイクではないかと思っているのだが、トレーニングの理論としては非常に考えさせられるところがあった。
ウェイトを使うのではなく、あくまでも自重で、脅威的なレベルまで体を作り込んでいくという理屈。
負荷に天井を設定することで、怪我を避け、「体を使えるようにする」という狙いを達成するということなのだが、興味深いのは、そのプロセスの厳密性。
単純に筋肉量だけでなく、体の使い方や腱の強さ、ウェイトコントロールまで意識していくので、非常に厳密に、それこそ何年もかけて、余裕でこなせるレベルの低負荷から、体を作り込んで行くのである(筋トレでよく言われる、「追い込む」ということをしない)。
ちょっとこのお話と似ている。
社会人経験がない弟の友人に行ったアドバイスは、「毎日定時に会社に来ること」「自分に手伝えることがないか、毎日帰り際に質問すること」の2つだけ。
何故帰り際なのかはよくわからないが、この2つを厳密に守って行くことは、結構難易度が高く、想像するにこの2つを厳密に守り続けた先の境地というのは、なかなかにハイレベルではないかと思うのだ。
仕事は不確定な要素や事件もあったりするので、「普通にできること」を「どんな時でもできること」にするのは結構難しい。
ともすれば、派手な成果や超人的な努力がクローズアップされがちだけれども、実現可能なレベルを、ちゃんと達成し続けることが、実はその人を「遠くまで連れて行ってくれる」のではないかと考えている。
まぁ、ご参考ということで。