こんな本を読む。
どこかの国の首長が「新しい資本主義」なんていうことをおっしゃるものだから、思わず積読在庫の中から関わりがありそうな本を読んでしまったのである。
本書はアメリカの税制について論評したものであるが、国際比較も言及があるし、そもそもなんだかんだで何処の国も徴税事情に大差はないので、非常に勉強になった本。
問題は富裕層に(その可否も含めて)どう課税するかと、グローバルな租税回避措置をどうやって潰すか。
それぞれの論点に対して提言はなされているので、評価は読者に委ねたい。
それにしても、この手のテーマは簡単なようで奥の深い問題を孕んでおり、安易な答えは存在しないのだ、ということを思い知らされる。
「新しい資本主義」がなんなのか、小生もよくわかっていないのだが、問題の難易度を鑑みると、そんな新しそうな雰囲気を纏わせた言葉を振り回している時点で、既に信用ならないと身構えざるを得ない。
だからといって一律にダメだと断じるほど感情的でもないし、「お手並み拝見」とまで嫌味なスタンスをとるわけではないのだが、「では何をしていただけるんでしょうか」というところは、しっかりと見守っていきたいと考える次第。
まぁ、ご参考ということで。