こんな本を読む。
Kindle日替りセールで出会った一冊。
ほぼ写真の本なので、パラパラめくって読み終わることができる。
AIがどれほど有効なのか、本の売り文句プラスアルファくらいなのかもしれないが、そこは正直どうでも良い。
これまで歴史の授業やドキュメンタリーなどで見てきた昔の写真に色が付き、そのことでさまざまな感覚が呼び覚まされる体験が新鮮である。
当時の風景、肌の色の艶やかさ、人々の賑わいに、視覚だけでなく聴覚も嗅覚も触覚も刺激される気がする。
白黒で遠い世界と思っていたものが、急に距離が近くなる、そんな面白さがある。
それにしても、である。
本書の狙いは、戦前・戦後を写真で紐解きつつ、戦争の悲惨さを伝えることも一つだと思うのだが、その効果は絶大。
広大な戦場に大量の兵器と兵士が列をなす姿。
東京大空襲で広がる瓦礫の山々。
アフガニスタンとかパレスチナの空爆で破壊された街を見ることはあるけれど、そんなもんじゃ全然効かない破壊ぶり。
何周も巡ってという感じだが、如何に洒落にならない事態だったかが、カラーになって改めて理解できた気がする。
そんな瓦礫の中、建物など一つとして残っていない中で、風呂には入る日本人の写真が何枚かある。
こんな時でも風呂かよ、と突っ込みたくなりつつも、日本人ならそうかもねと納得して苦笑い。
「この世界の片隅に」を観て感銘を受けた人なら、きっと同じツボに入るんじゃないかなと思う。
まぁ、ご参考ということで。