人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

修羅場経験について

緊急事態宣言は解除されたが、多くの会社にとって厳しい経営環境が続いていることに変わりはない。

在宅勤務等でなんとか回せるホワイトカラー中心の仕事であればまだ良いが、飲食やサービスなど、リアルな現場中心の業種は相当大変なはず。

 

そんな会社はきっと「修羅場」に違いない。

しかし多くの人にとって「修羅場」は経験したことがない状況だと思うのだが、修羅場経験はその後の転職活動においてはプラスになることが多い、というのは知っておいて良いと思う。

 

貴重な経験はそれだけで価値があるといえばあるし、とことん踏ん張った努力は採用企業の期待値も高まるし、本人の体験としても意味があるものだ。

多くの人が未経験のはずなので、僭越ながら小生の体験を少しばかり。

 

小生、所属していた会社が潰れかけたことが何度かある。

だから、その後転職することになって転職回数が多くなってしまった、ということはあるけれども。

 

潰れかけている会社というのは、「修羅場」という言葉から想起されるような、ギラギラ・グラグラするような危機感のあふれる状況ではない。

基本的に会社の雰囲気は低調で、社員同士がネガティブな会社批判をポツポツと繰り返している、というような感じである。

 

このままでは本当に潰れてしまうから、なんとかしなければ!と有志が声を上げたところで、うねりにはならない。

前も書いたことがあるが、経営共創基盤の冨山氏が言ったとおり「危機的な会社ほど危機感がない」である。

 

で、転職に有利になるかもしれない修羅場経験について。

有利になる修羅場経験となれば、本当にヤバい状況で「切った張った」の業務を行うことを期待してしまうかもしれないし、そんな「切った張った」であれば、それなりにモチベーションも上がる人も多いと思うが、残念ながら多くの修羅場経験は、もっとテンションが低くてゲンナリするものだと思う。

 

「こんな奴らと一緒に沈んでってもなぁ」「転職したほうがマシだろうなぁ」という思いを抱えながら、ギリギリまで息が続くのを見極める、そんな感じ。

そのゲンナリする感じこそ、修羅場経験の一つの在り方だというのは知っておいたほうが良くて、「切った張った」も経験できそうにないし、さっさと辞めようとなると、修羅場経験を味わうことなく転職してしまうことになってしまう。

 

自分が「もう辞めよう」と思うより、もう少し(一見そうとは感じられない)修羅場を味わってみることが、現実の修羅場経験だし、だからこそそれを知ることが、きっと次のキャリアのプラスになるのだと思う。

まぁ、ご参考ということで。