人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「おカネの教室」 読了 〜誰が読む本なのだろうか〜

まずはリンク。

 

おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 (しごとのわ)

おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 (しごとのわ)

 

 

 

電車の広告で見て、謳い文句に惹かれて購入したが、そのままになっていた一冊。

当方、金融機関出身であり、この手の本は少し興味を引かれたら読むようにしている。

 

物語仕立てになっているのだが、中学生の男女がナゾのクラブ活動に参加しながら、お金とビジネスと世の中の仕組みを学んでいく、というストーリー。

男子目線の青春物語的に読ませるが、内容的には小生にとって既知のものばかり。

 

それはまぁ良いとしても、登場人物を通じて語られる、ビジネスについての価値判断が結構ハッキリしていて、「そんなに断言して良いものなんだっけ(もちろん作品としては自由なのだが、世の中そんなに割り切れないのでは、という意)」「ちょっとポジティブな面を信じすぎでは」といった違和感は感じた。

金融の仕組みをわかりやすく解説する本として、それなりの大人が読むにはちょいと偏っていて甘い気がするし、じゃあ主人公のような年代の子供たちが、本書を手に取る機会があって、なおかつこれを面白いと感じるのか?と思うと、果たして誰をターゲットにして書かれた本なのだろう、という気がした(金融の話をそれなりに読ませる物語にしているという意味では、悪い本ではないと思うのだが)。

 

なんて印象を抱きつつ、後書きを読んで納得。

金融業界を専門としてきた記者である著者が、自身の娘たちに書いて読ませていたストーリーを、一冊に再編集したものが本書であるとのこと。

 

娘になんとしてでも世の中の仕組みを伝えたいという父親の気持ちはよくわかる。

暑苦しくて、時に独善的になってしまう小生自身を振り返りながら、本書を読了した。

 

まぁ、ご参考ということで。