人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「Sunny(全6巻)」読了

松本大洋の漫画。

Sunny(1) (IKKI COMIX) https://www.amazon.co.jp/dp/B00MORJLAC/ref=cm_sw_r_cp_api_HAkwAb41XD1NQ

 

友人の勧めで拝読。

松本大洋作品は、「ピンポン」「竹光侍」以来、数年ぶりくらい。

 

おそらく昭和50年前後、三重県と思われる場所にある「星の子学園」という児童養護施設を舞台にした(主に子供の)人間模様。

児童養護施設は個人として間接的に関わっていなくもなく、リアリティを持って読むことができた。

 

ストーリーとしては大きな山はなく、淡々と日常が描かれ、登場人物の心象風景が綴られる。

著者の力量が遺憾なく発揮された、漫画だから出来る心理表現は、さすがだと思う。

 

なので「面白い、面白くない」という二元論で論じられるべき作品ではなく、娯楽要素という意味では、先の二作品の方が優れているだろうと思う。

とは言え、人としてどうあるのか、また親としてどうあるのか、まだ見ぬ未来とどう向き合い、日々をどう生きていくのか、そんなことを、ふっと振り返させられ、それ故に日常の大事さを意識させられたように感じた。

 

ともすれば、目の前の仕事と、その周囲3メートルで頭がいっぱいになりそうな人ほど、読んだ方がいい作品かもしれない。

あっ、だから小生はレコメンドされたのか?(笑)。

 

まぁ、ご参考ということで。