人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

自分をネタにできる人は素敵だと思う

本だけではなく漫画も一応読んでいる。

 

Amazonさんは色々レコメンドをしてくれるわけだが、たまたま目にしてレビューが星四つ半、レビューを読んでみるとなるほど興味深いので買ってみたら面白かったと。

もう若い人は知らないと思うが、かつての格闘技ブームを牽引した正道会館の石井元館長が原案者である。

 

石井さんは相当有名だったのだが、脱税で懲役を喰らった人。

で、その本人が出獄直後にトラックにはねられ死んでしまい、その魂が女子高生に乗り移り、家業の空手道場の立て直しに奔走すると共に云々、という「オイオイ」というストーリー。

 

かつての石井館長を知る人間、そして道場運営にかかわる人間としては読まないわけにいかない。

それにしても石井さん、かなり悪ノリと言ってもいいくらい自分のことをネタにしている。

 

かつての道場経営での工夫、イベント運営の実態、「今の俺ならこうやる」というようなアイデアなど、非常に興味深い。

一応かわいい女の子の「バトルもの」ストーリーは展開するのだが、こちとら本職なのでそこはどうでもよく、石井さんのネタをもっといっぱい聞きたいと思ってしまう。

 

ま、「前科者」といえばそうなのだが、それをネタにしつつ、転生モノにノリノリでネタ提供する68歳というのはなかなか素敵なシニアである。

下品に見る向きもあるのかもしれないが、過去の失敗を笑い飛ばすにしても、食うためにネタを切り売りしているのだとしても、自分の過去を真剣に受け止めていることに変わりはないので、個人的には非常に好感を持つ。

 

いつでも自分をネタにできる大人になりたいなと。

まぁ、ご参考ということで。