人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

人を育てる

新規事業のお手伝いなどというお仕事をしていると、クライアントから「あのリクルートと我が社は何が違うのか?」という質問をよく受ける。

ほんの少しグループに所属していただけの小生が、その質問に答えるにふさわしいとは思わないが、ベテランのリクルートOBがいる会社に居て、また現役のリクルートの方々ともやり取りしている感覚を述べると、世間一般で想像されているほど、すごい仕組みや運用がなされているわけではないと感じている。

 

こういう記事も出て居て、確かにそうだと頷くところもある一方、結果論のようにも思う。

https://www.businessinsider.jp/amp/post-100507

 

良いところも悪いところも、世間一般の会社と同じようなところは多々あるし、新規事業を成功させていると言っても、その裏には、無茶苦茶泥臭い営業を、相当のリソースを割いてやりきったという事実があるに過ぎない。

そしてそれは、新興企業が、収益性は高いものの短命なビジネスモデルを主軸に置いた故の宿命でもあり、ビジネスの構造と背景を理解すれば、どんな会社の人も「そりゃそうするしかないよね」と納得出来る話である。

 

しかし、あえて普通の会社と違うところがあるとすれば、(特に若手)人材の可能性を信じて、とことん育成するというスタンスだろうか。

「暑苦しい」と時に揶揄されるほどの、人に対する興味関心。

 

「君はどう思うの?」「それで良いの?」というような、この主体性と自主性を引き出し、ラインにあろうがなかろうが、全員で人を育てるという風土。

それらの文化の中で、社内提案制度に代表される仕組みにチャレンジさせ、メンターがサポートし、経験を積ませる。

 

これらは、何か特殊で独特な仕組みではなく、風土や人事やマネジメントシステムの総体とも言えるもので、真似しようと思えば真似できるし(実際リクルートっぽい会社というのは存在する)、真似が難しいと言えばそうでもある。

この辺に、多くの企業が捉えきれない本質があるのではないかと睨んでいる。

 

まぁ、ご参考ということで。