人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

コミュニケーションはパズルである

決まったスペースに、様々な形や大きさのピースを埋めるパズルがあるとする。

そのパズルの特殊なところは、全部のピースは納まらず、必ず入らないものが発生するということと、隙間なくスペースを埋めるのではなく、大きなピース(=優先度の高いピース)から埋めていくというということ。

 

コミュニケーションとは、斯様なパズルではないかと思っている。

コミュニケーションは、プレゼンでも、面接でも、社内の情報共有でも、営業トークでも、Webページのデザインでも、IRでも一緒だ。

 

決まったスペースは、持ち時間だったり、相手の理解できるキャパシティだったり、飽きずに話を聞いてくれる限界値だったりする。

パズルのピースは、伝えたいテーマを構成するサブテーマだ。

 

サブテーマは、5W1Hに代表されるような、一通り網羅された情報の粒と、インパクトだったり重要度だったりの「重み付け」がされた、様々なカタチをしている。

それらのピース(=サブテーマ)を、スペースにあわせて、①重要度を付け、②スペースに入れるピースを選択し、③入れる順番を組み立てる、という流れではめ込んでいく。

 

例えば、いま考えている事業の提案をするとしよう。

持ち時間は何分か、プレゼンの相手は自分の考えているテーマに詳しいか詳しくないか、そもそも興味を持っているか、そのあたりが先ず「スペース」を決める。

 

そこに、何のピースを放り込むかなのだが、時間が限られていて、詳しくなく、興味もそれほどあるわけではない、というのが一番難易度が高い。

「とにかく簡単に言うとどんなビジネスなのか」という削ぎ落とした説明にせざるを得ないので、「誰に何を売るのか」レベルの最も基本的かつ大きいピースを一つ、それから「(相手は詳しく理解できないながらも)いかに魅力的な事業性なのか」というピースをもう一つ、このあたりは外せないだろう。

 

あとは、エレベーターピッチ的な状況であれば、「相手に何をしてほしいか」というピースで終わり。

締めて30秒というところだろう。

 

時間が長くなったとしたら、少なくともじっくり聞くつもりはある、ということなので、「削ぎ落とし」は程々に戻し、「何故やるのか」「顧客は誰か」「競合は何か」辺りのピースを追加してく。

とは言え、あくまでスペースに最適化して、ピースをデザインしていくのが基本だ。

 

何れにしても、大事なことは、どんなスペースなのかをよく見極めること。

そして、そのスペースに最適化されたピースを「選ぶ」ということ。

 

仕事の相当広い局面で活かせる考え方だと思う。

まぁ、ご参考ということで。