前職は、業界でリテインドサーチと言われる、クライアントから着手金を頂いて人探しをする、ヘッドハンティングを行う部隊と、コンティンジェンシーもしくはエージェントと言われるような、人材と企業のマッチングを行う部隊が併存していた。
小生はマッチングの部隊に所属していたのだが、あるオフサイトのイベントの際に、ヘッドハンティング側の、今も親しくして頂いている先輩と少しお話をする機会があった。
先輩曰く、一線の経験を積んでいる人であれば、自社の周辺も含めた業界動向や、競合環境を知悉しているはずで、そうであるならば、次はどの辺りが有望で、自分がどの領域で力を発揮できるかは、自明であろう、と。
にもかかわらず、そういう人がエージェントのところに相談に行き、エージェントが勧めたからといって、「はいそうですか」と受けるものなのか?(それってどうなの)という、ある種エージェントビジネスにとって根源的な問い掛けをされたことがある。
しかし、日本のビジネスパーソンは、ビジネスに向き合うだけでなく、組織に所属している傾向があり、外部の指摘を受けて気付かされる機会は多い。
また、新たな成長分野(企業)で違う業界のプロを求めるなど、本人の知らない情報もあり、エージェントの介在価値は存在すると思う。
しかし、その会話の際、「そりゃそうだ」と納得したのも、正直なところである。
セールスであれば、その商品の特徴を踏まえて、最も評価してくれるターゲットを攻めるはずだ。
どこの世界に、「この商品、誰が買ってくれそうですかネェ」などと、外部の人間に聞くセールスがいるだろうか?
そういうことを申し上げると、変に自分のことを、「どうせ私なんか…」という感じで逃げる人も多くて参ってしまうのだが。
エージェントの介在価値は大いに利用しつつも、「攻めるべきはどこか?」「最も高く買ってくれるところはどこか?」「最も成果が出せるところはどこか?」といったあたりは、しっかり自分で考えるスタンスを持った方が、きっと良い出会いが待っているのだと思う。
その前提でエージェントを「使った」方が、却って色々なオポチュニティが広がるはず。
まぁ、ご参考ということで。