「マッチングビジネス」を成立させる要件として、あまり論点にならないが、個人的に重要ではないかと思っているのが、「購買決定要因が曖昧である」ということではないだろうか。
「何を」「いくらで」買いたい、もしくは、「何を」「いくらで」「誰に」売りたいというのがクリアであれば、間に誰かが入る余地は少ない。
だって、その相手を探してきて話をすればいいだけなのだから。
介在者が存在する例として、不動産を引き合いに出したが、殆どの人が、不動産を買い慣れているわけではないので、実は「何を」「いくらで」は、曖昧なのである。
そこを、介在者が具体的な物件を引き合いに出しながら、購買決定要因を明確にしていくことが求められる。
なぜなら、一見、購買決定要因がクリアなようでも、魅力的な商品が提示されれば、一気に気持ちが傾くのが人間というもの。
なので、何となくの嗜好ではなく、絶対に動かない購買決定要因が有るのか無いのか、そこを明確にしなければ取引は成立しないし、「マッチングビジネス」の成立要件の重要なポイントだと思うのだ。
さて、「マッチングビジネス」を成立させる要件のまとめだ。
①「取引のインパクト」が大きいこと
失敗しても良いのであれば、わざわざ関係者を増やす必要はない。
②「情報収集のコスト」が大きいこと
深い情報を簡単には得られない時、介在者が存在する意義がある。
③購買決定要因が曖昧であること
真の購買決定要因は何か、そこが見えているようで実は曖昧なのであれば、誰かが調整しなければ、取引は進まない。
どうだろう、少なくとも転職エージェントが存在する余地は、領域に応じてありそうだし、何を相談すべきかも見えてきたのでは無いだろうか。
続きます。