人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

スキルを売って転職することの難しさ。

ある程度の年齢になってから転職するということは、なんらかのスキルを売るということになる。
当たり前といえば当たり前なのだが、以前ご相談を受けて、とても印象に残った方の話を。

その方は、金融業界出身で、M&Aのスキル、経験を買われて、有名な事業会社に転職された、40代の男性。
所属されている事業会社は、日本人なら誰でも知っているような有名企業だ。

そんな方が何故転職相談にいらっしゃったのか?
スキルはもちろん評価され、相応に実績も積んでおり、手がけた買収も何件か新聞紙面に取り上げられたりしている。

答えを言うと、その方の仕事はどこまで行っても亜流にしかならず、それもいつかは終わりが来てしまうから、ということだ。
確かにその会社には、M&Aの豊富な経験を持った方はおらず、大変重宝されたのは事実。

しかし、いつまでも企業買収を続けられる企業など、滅多にあるものではなく、長期の目線ではいつか終わりが来る。
そして、それまで経験者がいなかったことが証左だが、M&Aはその会社にとってはあくまで亜流のビジネスであり、その方が買収した会社のマネジメントに入っていこうと思っても、なんだかんだで本流の力のある方が、「本業とのシナジー」を錦の御旗に乗り込んでしまうとのこと。

なんとも遣る瀬無い話だが、実際似たようなお話は他でも聞いたことはある。
スキルを売らなければ、そもそも機会は作れないのだが、それが冷静に考えてどういうことなのか、そして売ったスキルで企業の目先の課題が解決したあと、あなたにどんな機会が残るのか?

じっくり吟味したいところ。
まぁ、ご参考ということで。