人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「別れても好きな人」

何だそりゃ、というタイトルで申し訳ない。

小生がある会社で怒涛の青春を送っていたとき、当時の社長にはビジネスパーソンとして本当に色々なことを教わった。

 

主にスキルやテクニックだけれど、それで実際成長したし、一生喰っていけるだけの自信もついた。

自分の頭で考える習慣も身に付いたし、経営のジェットコースターもあったから、それこそMBAでも学べないような経験もできた(しなくて良いという噂もある(笑))。

 

そういう意味では大恩人だし、「一生足を向けて寝られない」人の一人である。

然し乍ら、もうここ6〜7年会っていないし、多分このままお会いすることも無いのかもしれないと感じている。

 

お恥ずかしながら、「ジェットコースター」の時にガチンコで対立し、罵り合いなどは全くなかったものの、本音で会話をすることがなくなり、小生はそのまま会社を去ることになった。

退職後も、二度ほどご挨拶に行ったが、その会社の運営が上手くいかなくなったこともあったし、ついぞわだかまりは消えぬまま、上っ面の「ご挨拶」を最後に、現在に至るのである。

 

今にして思えば、若さ故にガチンコ対立に発展してしまった面もあり、反省しきりではあるが、当時は当時で必死にならざるを得ない状況だったので、もう一度同じ状況に戻れたとしたら、違う行動になったかというと、正直自信がない。

そもそも、起きてしまったことは取り返しがつかないし。

 

やれることと言えば、「今度は慎重に」ということと、ある人に育ててもらったという事実と、伝授されたスキルを、後進に伝えていくことしかないのかな、と思っている。

しかし、本当に反省すべき点は別に存在する。

 

「そんなに言うなら会いに行けば?」と思われるかもしれないが、これが難しいところで、「本音で会話ができなくなった人間関係」というのは、結構修復が難しいし、恩は感じていても、腹を割って話をし難い人に会いたいかと言われると、そこはかなり微妙で、そんな「別れ方」をしてしまったことが、最大の反省材料だろう。

「別れ方」は本当に難しいのだ。

 

まぁ、ご参考ということで。

「同じ風呂に入れ」

以前も書いたことがあるのだが、若い頃に教わり、今も大事にしていること。

何かの意見、感想、クレームを述べている人に対して、第三者的な評価をするのではなく、まずは同じ立場になって共感した上で、何らかのアドバイスなり、コンサルテーションを行う、ということである。

 

「同じ風呂に入れ」とはうまく言ったものだなぁと思っていて、風呂に入っている人が、仮に「熱い熱い」と言っていたとして、外から温度計を見て「熱い熱くない」を述べたところで、何ら意味をなさない。

同じ風呂に入ってはじめて、「熱い熱くない」の意見を受け入れてくれるものだし、本当に熱いかどうかは、実は入ってみないとわからないものでもあったりする。

 

どんな仕事も、その中核をコミュニケーションとするならば、「同じ風呂に入れる」かどうかは、大きな差となってくると考えている。

ものすごく単純なこのTips、出来る限り実践をお勧めしたい。

 

まぁ、ご参考ということで。

顧客に成長させていただく

 下記のブログは独立を考えている方むけ。

blogs.itmedia.co.jp

 

ご縁に感謝、などというと、大変ジジくさいのであるが。

コンサルタントという仕事は、顧客の課題解決が業務だと思っている。

 

しかし、顧客の課題はケースバイケースでもあるし、逆に各社共通するところもある。

ケースバイケースの局面は、「未だ誰も解いたことがない課題」と言ってもよく、そこを信頼いただいてチャレンジさせてもらうというのは、クライアントにとって大きな決断であり、信頼いただくことの重圧と感謝をヒシヒシと感じるし、その中での新しいチャレンジは、我々を大きく成長させる。

 

共通する課題の方は、悪く言えば「使い回しが効く」ということでもあるが、過去のソリューションを援用することで、早く効率的に解決に導くことができる。

「過去のソリューション」とは言うものの、これは別のクライアントと共に解決した課題をベースに、整理して汎用化したものでしかなく、クライアントとのお仕事があって初めて作ることができたもの(援用自体に難しさもあるのだが、それは割愛する)。

 

そういう意味ではクライアントの課題を解決すること自体が、我々にとってのソリューション開発に直結しており、コンサルテーションの質を向上させてくれる。

これはもう、お金を貰って勉強させていただいているようなもので、大変ありがたいお話なのだ。

 

明日も新たな顧客との出会いが待っている。

ご満足いただけるよう、ベストを尽くしたい。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

目に見えないところに奥行きがある

銀行に居たこともあって、銀行以外のご出身の方に、15時以降に銀行の中で何をやっているかというお話をすると、大抵「へー!」というリアクションで驚き、感心していただける。

感心していただける方の心理の裏にはたいてい、「サービス業なんだから15時になんか閉めずに、もっと色々やればいいじゃん」という潜在的なお考えが存在するのだが、そこはそれ、なかなかできない事情があるのである。

 

小売業であれば、開店前、閉店後の時間。

鉄道でも、毎日の始発前、終電後の作業(点検・工事)。

 

思いつくだけでもたくさん事例はあるが、我々が目にしないところで、様々なオペレーションが行われており、一見簡単に思えても、根本的なあり方から変えないとできない、という事象は結構あるのだ(少なくとも銀行の営業時間はそうである)。

だからこそ、「出来ない理由」をしっかり理解しておくことが、イノベーションには不可欠である一方、理解するだけだと新しいことができなくなってしまうので、「素人の視点」を忘れないことがとても大事なのだ。

 

目に見えない奥行きを理解しながら、それでも素人の視点や、ゼロベースの視点、未来に向けた視点を持ち続ける。

難易度は高いのだが、大切にしていきたいと思っている。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

採用のあり方は変わるか?

Wantedlyさん上場おめでとうございます。

http://thebridge.jp/2017/08/wantedly-to-ipo

 

当サービスが世に出てからオープンな転職活動をしていないため、ユーザーとしての利用経験はないのだが、ソーシャルの時代に適合しつつ、いつの時代も発生するミスマッチを避ける仕組みとして、コンセプトはとても納得ができるものである。

思えばここ5年くらいで、ソーシャルをはじめ、リファーラルとか、ダイレクトリクルーティングとか、AIとか、カタカナ満載の新しい採用キーワードが大発生している。

 

新しいキーワードには、本当に新しいものもあれば、これまでも存在していて言い方が変わっただけのものあるが、それだけ世の中にとって、採用が大きなイシューになっているということ。

たぶん、ソーシャルリクルーティングなどの本当に新しい概念は、ログやネットワークをベースにしたマッチングなど、新しいあり方をもたらしていくのだろう。

 

一方で、転職のハードルが下がっていたり、気軽に企業と会えたりするというのは、需給関係によるところが大きいので、ひょっとしたら状況は変わるかもしれない、などと感じている。

もう一つ、全然違う切り口なのだが、大きく変わる(変わった)のは、ベンチャーの採用だと思う。

 

今のベンチャーは、どちらかというとスタートアップという方が正しくて、株式での資金調達を大きく計りながら、早期の黒字化よりはサービスの拡大に突っ込んでいくことが多い。

少ない人数でまだ世にないインパクトを作りに行くので、中途でキーマンを採用するというのは、結構変な話になりやすい様な気がする。

 

世にないものを作っているのだから、物作りの部分で経験者というのも違和感があるし、営業でキーマンを採用するといっても、営業にパワーがかかる様ではスタートアップのアプローチとして間違っている様な気がする。

そもそも短期決戦で取り組んでいるのに、媒体やエージェントを使ってキーマンを採用しているようでは、採用・定着・活躍までに時間がかかりすぎて、間に合わないのではないか。

 

モデルが確立して、リソースを投下するフェーズになると、大量採用の場面も出てくるが、そうなってくると、例え「幹部(候補)募集」といっても、「釣り」とまでは言わないが、二線目・三線目となるのが実態ではないだろうか。

昔の「ベンチャー幹部」採用もそういった要素が無いわけではなかったが、最近の「スタートアップ」は、その辺りが変わってきているのではないかなぁと、外野にいながら感じている。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

 

 

人を育てる

新規事業のお手伝いなどというお仕事をしていると、クライアントから「あのリクルートと我が社は何が違うのか?」という質問をよく受ける。

ほんの少しグループに所属していただけの小生が、その質問に答えるにふさわしいとは思わないが、ベテランのリクルートOBがいる会社に居て、また現役のリクルートの方々ともやり取りしている感覚を述べると、世間一般で想像されているほど、すごい仕組みや運用がなされているわけではないと感じている。

 

こういう記事も出て居て、確かにそうだと頷くところもある一方、結果論のようにも思う。

https://www.businessinsider.jp/amp/post-100507

 

良いところも悪いところも、世間一般の会社と同じようなところは多々あるし、新規事業を成功させていると言っても、その裏には、無茶苦茶泥臭い営業を、相当のリソースを割いてやりきったという事実があるに過ぎない。

そしてそれは、新興企業が、収益性は高いものの短命なビジネスモデルを主軸に置いた故の宿命でもあり、ビジネスの構造と背景を理解すれば、どんな会社の人も「そりゃそうするしかないよね」と納得出来る話である。

 

しかし、あえて普通の会社と違うところがあるとすれば、(特に若手)人材の可能性を信じて、とことん育成するというスタンスだろうか。

「暑苦しい」と時に揶揄されるほどの、人に対する興味関心。

 

「君はどう思うの?」「それで良いの?」というような、この主体性と自主性を引き出し、ラインにあろうがなかろうが、全員で人を育てるという風土。

それらの文化の中で、社内提案制度に代表される仕組みにチャレンジさせ、メンターがサポートし、経験を積ませる。

 

これらは、何か特殊で独特な仕組みではなく、風土や人事やマネジメントシステムの総体とも言えるもので、真似しようと思えば真似できるし(実際リクルートっぽい会社というのは存在する)、真似が難しいと言えばそうでもある。

この辺に、多くの企業が捉えきれない本質があるのではないかと睨んでいる。

 

まぁ、ご参考ということで。