人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

人間関係は引き継げない

長く営業の仕事をしていると、人事異動やらで前任者から顧客を引き継ぐこともあるし、自分が誰かに引き渡すこともある。

前任者からは、「このお客さんは関係性も取引も良好だったので、大事にするように」と申し送りを受けて担当を任され、プレッシャーを感じつつも、気合を入れて商談に望んだものである。

 

それでまぁ何とか関係性を良好に保ちながら、実績は作れるのだけど、いい年になって最近思うのは、顧客との深い人間関係というのは、結局は引き継げないんじゃないかと思う。

ビジネスのロジックで会話が成立するのは、はっきり言って当たり前だから、あえて言及する程の「良好な関係性」というのは、「ビジネスのシーンを超えてまで」というような、ある種の友人関係までを包含するレベルなのだろう。

 

だとすれば、プライベートでは友人関係を誰かに引き継いだりはしないので、そのレベルの人間関係は、人には渡せない。

小生も含め、それでも引き継げたパターンというのは、後任の人間が頑張って「初めまして」の状態から友人関係まで持って行ったからだろう。

 

それを踏まえると、特定のキーパーソンが、顧客との深い関係性でビジネスを成立させている会社というのは、結構継続が難しいということだ。

優秀なキーパーソンが作り上げた顧客との関係性は、誰にも引き継げないので、後に誰かが続くとしても、その人間が関係性をゼロリセットで作り上げなければならないので、優秀な人材を本気で採用し続けなければならない。

 

そんなことを踏まえて、長期戦略を作らなければ、そんな企業の永続的な発展は難しいだろう。

顧客基盤とは、盤石なようで、維持発展がとても難しいものである。

 

まぁ、ご参考ということで。

スキルよりも大事なこと

これは大事なことだなぁ、と考えさせられた記事がこちら。

https://full-count.jp/2017/06/22/post73350/

 

野球選手のエージェントが語る、上手くいく外国人選手とそうではない選手の違いについて、である。

折角なので引用してしまう。

 

活躍できる外国人選手の条件として、

「何よりも大事なのは、日本でプレーしたいという熱意があるか。誰かに勧められたからではなく、本当にプレーしたい気持ちがなければ、長続きはしません。文化や生活様式の違いを受け入れられるか、チームプレーヤーであるか、練習に真面目に参加するか。日本の球団に選手を売り込む時は、技術的な部分以上に、そういった精神面や性格面を重視しています。」

とのことである。

 

これ、転職も全く同じだと思うのだ。

ただ決まった時間に決まった仕事をこなすのではなく、少なからず「活躍したい」という意欲を持つのであれば、熱意とまでは言わずとも、自分の意志はあるのか、ということ。

 

そして新しい会社の文化を受け入れられるか。

真面目に練習し、チームプレーが出来るか。

 

それらが出来なければ、どんなにスキルがあっても、結局活躍の場がないのだから、無意味なのだろう。

他山の石として、自省したい。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

 

 

 

やるか、やらないか

新規事業というのは、不確実性へのチャレンジである。

当たり前だが、「やったことがない」から新規事業と言える。

 

昨今、お陰様でお仕事の引き合いが、市場空前に多くなっている。

ほぼ全ての日本の会社が、本業の劣化待った無し、だからだと思う。

 

こちらも最善を尽くして取り組むが、「やったことがない」ことの成功確率を高めるのは、自ずと限界がある。

せいぜい、「ギャンブル」を五分五分に引き上げるくらいだろう。

 

いや、五分五分というのも、言い過ぎかもしれない。

プロを名乗る以上、六対四くらいまでは最低限の目標としたいが、それはオーバートークというもの。

 

五分五分とは随分不確実な、と言われる向きはあるかもしれない。

しかし、それでもチャレンジするべきだと思う。

 

尊敬してやまない先達の言葉を借りれば、「新規事業は、成功は約束できないが、成長は約束できる」から。

仮に新規事業が成功しなかったとしても、それを通じて成長した人間が、組織の至る所に存在する、そのこと自体が企業の競争優位だと思わないだろうか?

 

真に新規事業が求められるこの時勢だからこそ、改めてその意義を問いたい。

頑張っても五分五分にしかならないのであれば、あえてチャレンジし、その経験を組織の力として取り込んでいく、「十年の計」に向き合うべきではないか。

 

すでに日本の組織は劣化が始まっている。

まだ投資できる余力がある今が、最後のチャンスだ。

 

目先の「儲かる、儲からない」ではなく、真の競争優位を築くべく、とことんチャレンジをしよう。

微力ながら、全身全霊を持ってお応えする所存である。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

対話を進める

社会人になってもう、結構な時間が経つのだが、昔から思っているのは、日本人というのは、本当にコミュニケーションが下手だなということ。

小生自身はもともと対人コミュニケーションに苦手意識があって、それをなんとか向き合って乗り越えてきた、という感覚がある。

 

苦労して身につけた立場からすると、未だに自信がないのだが、それ故に、普通の人を端で見ていて、そのコミュニケーションスタイルが気になるのである。

まず、愛想がない。

 

怒っているのか?と思ってしまうくらい愛想がない人が多い。

インド人もわりと笑わない方だと思うが、日本人の方が酷いのではないか。

 

それから、人の話を聞かない。

喋りっぱなしという人もいるが、相手の意見を受け止め、理解して、議論を発展させる、という意味において、人の話を聞ける人がとても少ない。

 

反対方向か、同一方向の意見をひたすら応酬するのではなく、角度を修正しながらも、双方の意見をベクトル合成のように結び、新たな視座を開くのである。

それができないのなら、そもそもコミュニケーションを取る意味がないと思う。

 

また、自らの役割を忘れて、素の個人として喋ってしまう人も多い。

組織長として、組織を推進する立場にあるはずなのに、「個人的意見」を連発して停滞させてしまう人は読者諸兄に心当たりがあるだろうし、会議でひたすら喋る人とか、引退後に現役時代の立場が忘れられない人も同じだ。

 

他にも、怒るとか、黙っていて後で反論するとか、色々あるけれど、何れにしても、対話相手の尊重と、対話を建設的に進めるための客観的な視点に乏しい人が多いような気がする。

出処が怪しい「ユダヤ商人10の教え」というのがあるのだが、その教えの一つに、「話す倍、聞け」というのがあろ。

 

個人的には、要するにこれではないかと思うのだ。

自分が話す倍、相手の話を聞くのが、尊重。

 

会話の量が偏ってないか、場をコントロールするのが、客観的な視点。

対話を進め、一人では辿り着けないところまで至るのが、コミュニケーションの本義を実現するアプローチとして、「話す倍、聞け」、いかがだろうか?

 

まぁ、ご参考ということで。

 

好きなことを仕事にしてはいけないのか

今日はこんな記事があって、大いに共感するところである。

http://blog.livedoor.jp/tokyojohodo/archives/9586213.html

 

まとめて言えば、好きなことを仕事にするな、ではなくて、好きなことに逃げて判断を見誤ってはいけない、と言うべきであろう、というお話。

「好きなことを仕事にしてはいけない」という様な言説は、好きなことが無い人が「やっかみ」で言うものだと、個人的には思っている。

 

引用記事中にもあるのだが、本当に好きだったら、自分がどこまでの才能があるのか、食えるのかというのは自ずとわかるもの。

食うや食わずだったとしても、本当に好きなことなら、それをとやかくいうのは余計なお世話というもの。

 

小生は武術という好きなものがあるから、好きなことを仕事にして(周りがなんと言おうが)幸せになっている人というのは、なんとなくイメージがつくし、体現している人も知っている。

ちなみに、小生が武術を仕事にしていないのは、修行者として稽古を続けていくことと、お金を戴くこととは根本的に違うから。

 

もちろん、指導することに気付きがあり、仲間を増やすことで稽古を続けていくことができるので、もし弟子を取るようなことがあれば、それはそれで意味はあるが、小生の中では好きなことを続ける「手段」でしかないのだと思う。

あとは、ボランティアに近い形で、者かに対して意義を伝えていく活動とするか。

 

なので、自分の好きなことと、マネタイズが合致しているのであれば、どんどんやれば良い。

好きなことで人から感謝され、感謝の証としてお金を戴けるなんて、この上なく素晴らしいではないか。

 

好きなことが無い人は、模索しながらも、目の前の仕事を一生懸命やれば良い。

一生懸命取り組んだ仕事を好きになる、なんていうことは、キャリア論で古くから言い尽くされてきた話なんだし。

 

なんせ、人の人生に口出すヒマがあるんなら、ということである。

まぁ、ご参考ということで。

生き残れない営業がやっていること

この手のタイトルの記事が流れてくると、未だにドキドキして読んでしまう。

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1706/14/news011.html

 

今更、「できる」「できない」を人から見極められるような歳でもないのだから、「ドキドキ」するのも滑稽な話だし、「お前は『営業』なのか?」と問われれば、そうとも言えるし、そうとも言えない面もあるのだが。

しかし、思いもよらない競合やテクノロジーの出現で、自分のスキルが陳腐化するリスクはみんなあると思うし、自分の知らないテクニックや方法論がまだまだあるかもしれないので、やっぱり読んでしまう。

 

ほら、上記リンク先にも、「自分を磨け」とあるではないか。

ちなみに個人的には、記事そのものに新しい知見や気付きはなかったが。

 

さらに言えば、個人のモチベーションやスタンスに依拠するニュアンスの様に読み取れて、あまり好きではない。

小生はへそ曲りなので、周りから「モチベーションを高く保て!」と言われても、却ってダダ下がりするのだ。

 

モチベーションについて言うと、今日はこんな記事もあって、こちらの考え方のほうがフィット感がある。

http://blog.tinect.jp/?p=40817

 

はっきり言って、やる気などはあてにならないので(自分も含めて)、適正なプロセスを、機械的にちゃんとやり抜くことが大事だと思う。

もちろん、適正なプロセスも、ちゃんとやり抜くのも、周到な設計が必要なので、そこに事業としての奥行き、秘伝があるのだと思うけれど。

 

まぁ、ご参考ということで。