人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

経営者と職人と

ジェネラリスト(もしくはマネジメント)とスペシャリストと置き換えても良い。

キャリアパスにおいて、どちらを選択するか、という論点もあるし、企業経営として人材配分と育成・選抜をどう考えるか、という論点もある。

 

起業の世界では、スペシャリストとしてスタートした起業家が、どのタイミングでジェネラリスト(もしくはマネジメント)に移行するか、という論点も重要だ。

それぞれに深い深い議論があり、こんなデイリーの炬燵ブログ如きで語れるテーマではない。

 

とは言え、ジェネラリストが将来のマネジメント候補者であるという日本型キャリアパスを前提とした時に、個人的な見解として思うところを一つ。

職人というのは基本的に、「今」「ここ」にフォーカスをする仕事であり、経営者というのは未来にフォーカスをする仕事だということ。

 

もちろん程度の差はあって、職人も未来のことを考えなくていいわけではないし、逆もまた然りだが、力点がどこにあるかという話だ。

職人は、目の前のことに集中すれば良いというメリットがある反面、ナンバーワンかオンリーワンにならなければ、仕事がこないという厳しい世界である。

 

経営者は、組織のリーダーとしての偉大なポジションである一方、未来という不確実性にチャレンジしなければならない、という宿命を持つ。

目の前のことに集中すべきなのか、不確実性にチャレンジすべきなのか、この役割の差を踏まえると、自分は今、どちらに力点を置くべきなのか、というのは冷静に考えられるのではないだろうか。

 

この使い分けができるかできないか、というのが、キャリアや経営の重要なポイントになると考える。

まぁ、ご参考ということで。

「働き方改革」は不可避かもしれない

世間のニュースでは、働き方改革についてのニュースを良く見るようになった。

個人的には、昨年の内閣改造時のスローガン、「一億総活躍社会」の中のイチメニュー位に受け止めていて、ややシニカルな捉え方をしていたのだが、どうもそうではなさそうだ。

 

シニカルに捉えていたのは、働き方改革が、リモートワークや副業など、マーケティング用語で言うところのイノベーターやアーリーアダプターが好む文脈で語られていたような気がしていて、現実的にはレイトマジョリティとラガードの集まりである日本社会では、騒がれた割に普及しないのでは、という読みがあったからだ。

しかし、年末から年始の色々な動きを見ていると、政界やエスタブリッシュな産業からのアクションが相次いでいて、これは一気にキャズムを超えるのかも、という気がしつつある。

 

サービス業系企業の年頭の所感でも触れられるような流れにもなって来ているので、今年で一気にというわけではないだろうが、ここ数年で働き方は大きく変わっていくのだろう。

ネガティブな側面で想定されるのは、短期的には人手が足りずに企業業績が落ちてしまうこと、中期的には人材が確保できなかった企業が脱落していくことが考えられる。

 

一方で、働き手にとっては、自分のライフスタイルにあった働き方の選択肢が増えるという意味では、とても望ましいし、雇用側からより大事にされるという大枠の方向感は変わらないだろう。

とは言え、ゲームのルールが変わるのだから、「適者」も変わる。

 

働き手自身も、リモートで効率よく処理する能力、コミュニケーションやファシリテーションの能力、そしてバランスのとれた自己管理能力が求められるようになると思う。

厳しい表現をすれば、「プロとしての甘えは許されない」ということだが、それさえ守れば人材が自由を手にできるわけで。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

2017年を勝手に予想する

新年あけましておめでとうございます。

今年も皆様にとって良い年であることを、心より祈念申し上げます。

 

さて、早速の本題ですが、昨年は社会の多くのシーンで綻びが見られた年でありました。

東京都民にとっては都政の停滞は身近なところですし、ここ数年隆盛を誇っていたキュレーションメディアの破綻ですとか、大手企業の不祥事であるとか。

 

なんでもアニメ制作の場面では、制作が間に合わず放送延期になったコンテンツもあったとのことですし、人手不足で営業時間を短縮するサービス業など、これまでは考えられないような出来事が起きています。

人口減少とそれに伴うリソースの不足、そして需要の不足が、顕在化し始めたのが2016年であったと、あとで振り返ることになるのかもしれません。

 

小生の職場は銀座ですが、一歩裏側に入った店舗の閉店や、老朽化したビルの取り壊しが相次いでいます。

年末訪れた横浜の中華街は、明らかに営業時間が短くなっていましたし、大晦日の都心では、開店している店の絶対数が減っていたように思います。

 

日本の社会はかつて経験のない、減少局面に突入します。

2017年はそのスピードがますます拡大する一年になると予想します。

 

採用市場は引き続き売り手市場ですが、ボチボチ人が居なくても成り立たせる仕組みを構築したものが生き残れるフェーズに変わっていくでしょうし、イチ消費者としても、お店が開いていなかったり、品切れになっていることが多くなって、「ちょっと不便だな」と思う機会が増えるのではないでしょうか。

だからどうするという解がある話では無いのですが、覚悟する時期に来ていると思います。

 

年初からネガティブな話で恐縮ですが、真面目にそうなると考えます。

まぁ、ご参考ということで。

本年の更新はこれで終了とさせていただきます(来年は1月4日から)

皆様、本年も当ブログにお付き合い頂き、誠にありがとうございました。

本業の新規事業界隈が多忙故、キャリア系の話というより、ビジネス寄りのテーマが多くなった気がする一年でありました。

 

そんなことを感じていた矢先、ここ数日は立て続けにキャリア相談を受けておりました。

やはり年末というタイミングもあるのでしょうか。

 

自分自身の状況の変化もあり、これまでとはまた違った切り口、スタンスでお話をお聞き出来たような気はしておりますが、こんな小生でも相談したいと思っていただける方々に、深く感謝しております。

日々、世の中は確実に変化を続けており、かつてより一層、会社人・組織人としてキャリアを全うできる可能性は減り続けている様に思います。

 

だからといって、何でも転職すれば良いわけではないのですが、組織人として生きていくか、自分の腕一本で食っていく可能性を高めるか、という選択肢が仮にあった場合、前者を取った方が良い、というケースは、この10年で随分減ったのでは無いでしょうか。

そんなことを思わされたここ数日でもありました。

 

そういう意味では、社会は不確実性が高まっているのかもしれませんが、不確実性はポジティブに「跳ねる」ことがあるのもまた事実。

リスクには備えなければなりませんが、恐れるばかりでも無いわけで、これからも冷静に、不確実性を楽しむことが出来ればと願っております。

 

皆様にとって、来年が更に良い年となりますよう、心からお祈り申し上げます。

まぁ、ご参考ということで。

 

 

 

ベンチャー企業でのキャリアについて

仕事の兼ね合いがあり、色々なベンチャー企業や、そこにジョインしようとする人達の相談を受けることがままある。

ベンチャー企業にとってみれば、優秀な人材を採用できるかどうかは、死活問題なので、切実なニーズとして、優秀な人材を採用したいというお話はお伺いする。

 

一方で、転職を考える方々からも、ベンチャー企業に転職する是非について、色々聞かれることがあるのだが、この点については、ケースバイケースとしか言いようがない。

ベンチャー企業は、良くも悪くもルールがなく、自らの仕事を通じてルール化していくプロセスになるので、自ら仕事を作っていく人にとっては、とても心地よい環境だが、ある程度決められた枠組みの中でパフォーマンスを出すタイプの人にとっては、苦痛になることだってある。

 

そのあたり、ご自身の適性を踏まえ、慎重に見極めて判断したいところである。

まぁ、ご参考ということで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生産性は上げようと思わない限り永遠に上がらない

今日もクライアントとディスカッションをしていて、やっぱりまた生産性の話。

ともすれば場当たり的になる日々の仕事の中で、いかに効率よく、意味のある内容にしていくかは、ある種、意志の問題ではないかと思う。

 

効率性の追求というのは、ランニングのようなもので、早く走ろうという意志がなければ、楽なペースに落ちていくし、だんだん走るのも面倒になって、いずれは歩いたり、気がついたら立ち止まって、挙句は横になっていたりするのかもしれない。

そんな、「楽をしたい」欲求に逆らいながら、より効率の良い仕事、意味のある仕事を追求していくというのは、「人を選ぶ」ことなのだろう。

 

ある自動車部品メーカーは、乾いた雑巾を更に絞るコスト削減が基本行動になっていて、企業文化としてガッチリ確立していると聞いた。

しかし、今日ニュースに出ていた某食品メーカーは、会議の平均時間が3時間ということで、信じられない運用をしている。

 

その某食品メーカーは、日本人なら誰でも知っている優良企業なので、きっと細かいことを追求しなくても問題なかったのだろうと思うが、さて、掛け声だけで会議時間が短くなるものか、見ものである。

きっと、運動習慣が無かった人に、毎日ジョギングするのをノルマとするような、大きな変革が求められるのではないかと思う。

 

取りまとめのない雑感で恐縮だ。

まぁ、ご参考ということで。

 

 

 

若者を大事に

何らかのビジネスで独立した方々を見てきて、思うことがある。

大概の独立する方々は、営業に自信があってそのような選択をされているのだが、それほどの営業力がある方というのは、「ジジ殺し」であることが多い。

 

クライアントのキーマンと向き合い、能力を買われ、契約を取り付けるという意味では、クライアントの偉い人と「きっちり握る」素晴らしい能力の持ち主だ。

「ジジ殺し」という表現をしたが、基本的には自分より偉い人に可愛がられる能力だ。

 

そういった方々が独立すると、数年は間違いなく上手くいく。

ガッチリビジネスを構築し、稼ぎも作り上げ、順風満帆である。

 

しかし、そこは「ジジ殺し」。

「ジジ」はいつか年を取って引退していく。

 

大体、3~5年で、「ジジ殺し」の人脈は劣化していく。

そこでビジネスが詰まった人を、何人も見てきた。

 

ということは、長期の目線でビジネスを成立させるためには、若い世代から頼られ、若い世代とともにビジネスを構築する存在でなければならないのだが、大抵の場合、若い世代は短期ではビジネスにならないことが多い。

そこをあえて、先行投資として若者を支援することが出来るか、ここはとても重要なポイントだと思う。

 

はっきり言って、「ジジ」から掠め取ったお金を、若者に突っ込んで行く、位のスタンスが求められるのではないだろうか。

そういったアクションを重ねることで、自身の長期のビジネスを長期で構築するとともに、社会をより良く発展させる一助になるのだと思う。

 

これは独立する人に限らず、組織人としても重要な視点だと思うが、いかがだろうか?

まぁ、ご参考ということで。