若い頃、当時のおじさんから、教訓めいた話をたくさんされて、こんな話はもうみんな知っているかと思っている。
が、最近の若い方とお話しすると、案外ご存じない方もいらっしゃるので、一応申し上げておく。
道端にゴミが落ちていた時に、人間のリアクションは三つに分かれる。
すなわち、気付いてそれを拾う人、気付くが拾わない人、そもそも存在に気付かない人、だ。
もちろんこれは、ビジネス上の寓話で、「ゴミ」をビジネスにおける「本質的な課題」と読み替えれば、それにちゃんと向き合って解決する人、課題は認識しているけどスルーする人、そもそも課題に気付かない人、と表現できる。
気付いてスルーする人と、そもそも気付かない鈍感な人と、どちらが罪深いか、という議論をされることは多いが、まぁ役に立たないという意味ではどちらも同じだろう。
一方で心の純粋な方からは、課題を認識しているのにスルーする人なんているの?という問いが出るのだが、往々にして「本質的な課題」というのは厄介なので、スルーしたくなる気持ちも理解できる話だったりする。
この、気付いて拾う人、気付くが拾わない人、気付かない人というアナロジーには、小生的な解釈を加えると、環境設計はどうなのか?というポイントを問いたい。
基本的にビジネスパーソンには、気付いて拾うことを求めたいが、一方で、拾っても捨てるゴミ箱がないという環境だったら、人はどんなリアクションを取るだろうか?
ゴミを持ってずっとウロウロできない以上、拾いたくても拾えない、ということもあるだろうし、一方で、拾って捨てるモチベーションがもともと高くない人でも、目の前にゴミとゴミ箱があれば、自然と捨てるアクションになりそうである。
なので、本人の姿勢も問題にするものの、あるべき行動を促す環境設計になっているのか、というのも、重要な論点だと思うのだ。
もちろんこれは、経営側の考え方で、個々の社員は、ゴミを見つけたら拾うべきなのよ、と思っているのだが。
まぁ、全然違う視点として、「私がゴミを拾えば、清掃を生業にしている人の仕事を奪うから拾わないのだ」なんていう人もいるけどね。
そういう人は放っておくとして。
まぁ、ご参考ということで。