人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

なぜ人は出世を目指すのか?

「出世する人になりたければ、◯◯しなさい」的な記事をたまたま読んだのだが、きょうびのビジネスパーソンで、「出世したい」と思っている人は、どれくらいいるのだろうか?

より大きな仕事、より影響力のある仕事をしたい、というモチベーションはわかる。

 

ネガティヴな言い方だが、それは承認欲求の肥大化だし、ゲームでハイスコアを目指すようなものだろう。

そのための手段として、出世が必要ならば、手段と目的を混同しないレベルで努力すれば良い。

 

繰り返すが、そのロジックならわかる。

しかし、出世するために組織に隷属するとか、ハッタリだけのお勉強をしたりとか、出世する人は長財布を使うんだ、みたいな話はよくわからない。

 

もともと、日本の賃金カーブというのが、大企業は長く勤めるほど有利、役職が上がるほど有利な構造になっていて、会社員と専業主婦の家庭環境からも、一つの会社で長く勤めて上を目指すのが最適な戦略だった訳だ。

しかし、今や賃金カーブはフラット化し(同一労働同一賃金なんてもっとフラットだ)、それもあって専業主婦は激減し、共働きゆえに男性社員の家庭へのウェイトも父親世代とは比較にならないくらい上がっていて(それでもまだまだ個人差が大きいが)、会社への隷属は現実的には厳しくなっている。

 

労働力人口の減少を考えると、共働きはもうデフォルトなので、「会社にベッタリでその見返り的に評価を得る」というのは、現実的にそれが出来る人が居なくなり、能力・実績ベースでの人材評価に、グッとシフトしていくのではないだろうか。

イメージとしては、「頑張って偉くなる」というより、「自然と優秀な人が浮かび上がっていく」みたいな、もちろん昔からあった流れだけれども、少なくとも「モーレツサラリーマン」はもう終わりなのではなかろうか。

 

まぁ、ご参考ということで。