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人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

シンプルで本質的な質問は強力であるがそれゆえ役に立たない

シンプルで本質的な質問というのがある。

キャリア相談だったら、「あなたは何がしたいんですか?」なんかがそうだろうし、新規事業やスタートアップであれば、「顧客は誰ですか?」などが代表的だろう。

 

第三者が本人に対して、この問いを投げかけることはとても正しいし、本人がそれを考え続けることはとても重要だ。

その点において、全く異論はない。

 

しかし、小生が色々仕事を通じてキャリアや新規事業のお手伝いをする際、ストレートにそれらの問いを投げ掛けることはあまりない。

なぜなら、殆どの人が答えられないからだ。

 

答えたとしても、自信なさげだったり、自信満々でも虚勢だったりする。

人生において「何がしたいか」なんて、下手をすれば死ぬまでわからないし、何かを決断したから見えてくることだってあるし、そもそも正解はないし(かといって考えなくて良いというわけではないが)、新規事業における「顧客」だって、仮説として顧客は想定しなければならないが、最後は世に出して売れるまで答えはわからないのである。

 

シンプルで本質的な質問を投げかけて、ハッキリ答えられるくらいなら、小生が登場する出番はない。

みんな答えを持っていないから、コンサルティングなんていうビジネスの成立する余地があり、共に考え、発見のお手伝いをするからこそ、コンサルタントの存在意義があるのだろう。

 

小生が投げ掛ける質問の例はこんな感じだ。

「(転職でも新規事業でも)どうしてそんなことを考えたんですか?」というのは必ず聞く。

 

新規事業においては、「顧客は誰ですか?」とストレートに聞かず、「今の時点では、どんな人がそのサービスを利用すると考えていますか?」という風にすることが多い。

内容は同じなのだが、「今の時点では」「考えていますか?」という表記を加えることで、あくまで仮説なんだ、という幅を持たせ、本人が答え易くし、議論の出発点を作るのだ。

 

表現を回りくどくしただけなのだが、シンプルで本質的な質問は、時に人を思考停止に追い込む。

些細なテクニックだが、こうした配慮が、良い答えを導き出す為にはとても大事ではないかと考えている。

 

まぁ、ご参考ということで。