人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

新規事業で本当に大事なこと

2017年8月時点での、小生の裏表のない率直な見解を述べたい。

よく新規事業に関わる世界では、時代の洞察が大事だとか、起案者の本気度合いがモノを言うとか、経営のコミットメントだとか、経営資源を生かすことがキモなのだとか、色々なことが言われている。

 

純粋な起業ではなく、企業の中で新規事業を興すにあたっては、上記の見解は結果論であって、本質では無いのでは、と最近感じている。

小生が今考えている本質とは、「会社組織が大切にしている価値観を、如何に再定義するか?」ということである。

 

安くて良いものを、より多くの人に届けることで喜ばれ、自らも喜びを感じてきた会社が、社会が貧富二極化するからと言って、高級品を扱うことを是とできるであろうか?

Face to Face でずっと頑張ってきた会社が、効率化の名の下に、AIのチャットボットに振り切ることができるであろうか?

 

組織の中から新しいチャレンジを生み出すにあたり、これまで大事にしてきた価値観を置き去りにしたり、ましてや否定するような試みは、例えどんなに正しくても、チャレンジ以前に受け入れられないものだ。

ましてや今の時代、このままでは本業が立ち行かなくなるのは自明。

 

既にこれまでの価値観を否定されかかっている現状で、さらにそれを切り捨てるような事業提案は、例えそれが正しかったとしても、組織には受け入れられないのだ。

だからこそ、新規事業の提案は、「会社組織が大切にしている価値観を、これからの時代に適合できる形に再定義する」ものでなければならないと考える。

 

いわば、「船が沈みかけているから、これを捨てて新しい船に乗り換えるべし」では無く、「このままでは沈んでしまうが、この穴を塞ぎ、ここをこのように改造すれば、次の波は乗り切れるかもしれない」というビジョンを示すということだ。

前者の主張は、感情的に多くの抵抗があり、身動きが取れずに結局全員沈んでしまうかもしれないが、後者は、例え100%正しくないかもしれないけれど、未来に向けたアクションを取ることができる。

 

このようなアクションを通じて、時代の変化に対応し、人も組織も懸命にコミットする状態を作り出し、新たな事業が生まれていく。

それが本当のあるべき姿ではないかと考えている。

 

まぁ、ご参考ということで。