まずはリンク。

- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/05/30
- メディア: 文庫
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先日の「ナンバーセンス」に続く、数学関連というわけではないのだが、以前どこかで高いレビューを目にして、そのまま積読になっていた一冊。
フェルマーの最終定理というのは、1600年代にフェルマーによって示された、数論の(未解決だった)証明である。
スマホで公式が打てないので下記にリンクを貼っておく。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/フェルマーの最終定理
フェルマーの最終定理は、フェルマー自身が「解けた」と述べたものの、その証明を残しておらず、以来360年に渡って証明できなかった問題である(問題自体は中学数学で理解できる単純さである)。
本書は、遂にその難問を解いた、アンドリュー・ワイルズへのインタビューを軸に、フェルマーの最終定理に関わる数学者や数論の歴史、理論について、非常にわかりやすく解説したもの。
難解なものをわかりやすく説明しているだけでも充分一読の価値があるが、一見脈絡なく解説される理論が、フェルマーの最終定理と関連付けられていくストーリーは、読んでいて本当に気持ちが良い。
数論なんて、そんな抽象的な問題を解いて、どんな意味があるんだっけ、という素人の無礼な疑問にも、もちろん答えてくれる。
そして、幾多の苦難を乗り越えて、ワイルズが解答に至るシーンには、強い感動すら覚える。
天才(達)が、人類未踏の問題を解決するために、如何なる努力を続けて来たか、それが人類の発展に如何に貢献したか、心を揺さぶられずにはいられない。
仕事には何にも役立たない本かもしれないが、自らの才能を信じ、未踏の領域にチャレンジする先人達の偉業には、きっと勇気付けられると思うし、何よりエンタテインメントとして一流の本である。
是非一読をお勧めしたい。
余談だが、本書にはフェルマーの最終定理に関わる人物として、日本人が四人ほど登場する。
同じ日本人として、我らの可能性について大きな自信を持つとともに、さらなる精進を心したことをコメントしておく。
まぁ、ご参考ということで。