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著者の方は以前お世話になった方で、この度本を上梓されたとのことで、購入した次第。
ご本人による前書きにもあるが、外資系のエグゼクティブによる経営や専門書の類はあるものの、イチセールスマンの日々や経験を綴った本というのは珍しい。
ある種、二度と来ないであろう日本の金融マーケットの混乱期に、フルコミッションの証券セールスという仕事に向き合った、貴重な体験談である。
そういう意味では、体験そのものを読者の人生の役に立てる機会というのは、ほぼ無いと思う。
しかし、仕事に対して、どの様な姿勢と覚悟で臨むのか、というプロフェッショナリズムが、著者のお人柄であろうが、重たくならないトーンで語られるのを読むことは、結構価値があることだと思う。
著者の経験に限らず、外資系の世界は成果と報酬(リスクとリターン)のバランスが取れていないと「フェアじゃない」ということになり、ハッキリと「ノー」と言って良い文化がある。
それを多くの日本人は「ドライだ」とか、「自己主張が…」などと言ったりしがちだが、「プロとしてやるべきことはやる代わりに、言うべきことは言わせてもらう」というスタンスは、小生は元々とても好き。
文書の合間合間に、著者のスタンスが、明るく垣間見えるところに好感を持つし、失敗談も詳らかにされていて、先達の経験談として、大変面白く読ませていただいた。
外資系に興味がある人も、プロフェッショナリズムという言葉に親しみを感じる人も、読んでみて損は無いのでは?
まぁ、ご参考ということで。