人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

選考プロセスが長いというのはどういうことか。

世の中には、選考プロセスがとても長い会社が存在する。
結局は、「採用するか、しないか」という二択しかないのに、なんでそんなに時間がかかるのか、疑問に思われるだろうし、まさにそのプロセスの途上にある方にとっては、とても不安になったり、疑心暗鬼になってしまうことだろう。

エージェントとしての小生の個人的な経験値で申し上げれば、「何故こんなにも結論が出るのに時間がかかるのか?」という選考プロセスは、八割がた最終的にはご縁にならないケースが多いように思う。
以下に、時間がかかる理由と、その帰結を列記してみる。

・「是非採用したい」とまで行かないが、断ってしまうのは勿体無いと感じている場合。
受験のような表現で恐縮だが、「ボーダーラインギリギリ」という感じだろうか。
企業としてもとても悩ましい状態であることは確かだが、往々にして、実は採用基準が曖昧な企業であることが多い。
曖昧というのは結構罪深くて、選考プロセスの設計も曖昧になれば、求める人物像も曖昧だし、年収条件も曖昧になり、最後の最後は、曖昧故、結局は「無理をして採用する方がリスク」という展開になり、見送られてしまうパターン。

・意思決定に時間がかかる場合。
組織として意思決定をなかなかしないという場合と、意思決定が一部の人間に集中していて、その人間が多忙故に結論が出ない、という場合がある。
前者の場合、そのような会社は、「何かをするより、何もしない」という判断になりがちなので、結局は見送られてしまう。
しかし、中途採用者としても、そんな会社には入らなくて良いと思う。
後者の場合、一部オーナー系企業、実力者が君臨する大企業に時々あるパターンだが、そのキーマンにとって、中途採用の意思決定が最重要課題になっていない、ということなので、基本的には難しいのだが、キーマンを支える優秀なサポート部隊の働きによって、エージェントもビックリの(遅い)タイミングでオファーが出る時がある。

・既存メンバーや、組織構成の調整が必要な場合
比較的ちゃんとした会社に多いが、新たな外部の人材を、それなりの立場で迎えようとした場合、既存社員の役割変更・異動や、組織変更が必要なケースというのは存在する。
そのようなことが可能なのか、ということについては、ある程度検討に時間が必要なので、必ずしも悪い話とは言えない。
最初から取締役以上として就任してもらう、既存社員とは破格の待遇で迎える、というパターンもここに入る。
とは言え、本当に採用が上手な会社は、この様な採用でも驚くほどのスピードで動くことは多いが。

他にも色々ありそうだが、とりあえず今日のところはそんな感じで。
結局のところ、本当に優秀な人材は「獲り合い」なので、時間をかけて採用側にプラスになることは、あまりないと思うのだが。

まぁ、ご参考ということで。