人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

問題が明確でないことが問題なのだ

昨今、大企業がベンチャー企業と組むための「アクセラレートプログラム」というのが普及してきたけれど、それに対して感想を求められた時の話。

小生は「アクセラレートプログラム」を業として提供しているわけではなく(個人として知っているベンチャー企業を大企業に紹介することはある)、クライアントが取り組んでいるのを近くで見ている、という表現が正しいだろう。

 

感想を求められた時の文脈は「うまくいっているところも、いっていないところもあるように散見されるが、うまくいかない場合の原因はどこにあるだろうか?」というニュアンス。

先方も良くご存知なので、今更「大企業の意思決定スピードが遅い」みたいな、ありきたりな回答を期待されているんじゃないだろうな、という読みも踏まえて。

 

たまたま「近くで見て」いて、苦労したているなと思う企業はたいてい、「なんの問題を解決するためにそれをやるのか」という目的が曖昧なことが多いと思う。

「いやいや、将来の新しい事業機会を作り出すために取り組んでいるのだ」とおっしゃるかもしれないけれど、それだとまだ「曖昧」すぎる。

 

少なくとも「アクセラレートプログラムでなければならない理由」にはならない。

「こういうテーマのこういう問題を解決するには、新しいアイデアを広く募った方が良い」からアクセラレートプログラムなのだと思う。

 

もちろん、大企業の組織構造は複雑だから、意思決定は早くない。

しかし、そもそもの解決すべき問題を明確に仕切れていないから、人も組織も「それでいいのか?」と立ち止まってしまい、スピードが上がらないのだと思う。

 

大企業であっても、直面する(であろう)課題を明確に解決するのであれば、すぐに意思決定することはある。

「え、そんなにすぐ決めちゃうんですか?」という場面は、これまで何度も遭遇してきたし。

 

問題が明確になっていないと、なんとなく「やる」という話だけが先行し、直ぐに迷走する。

コンサルタントとして関わる時も、いつも「解決すべき問題は何か?」と呪文を唱えながら関与させていただくようにしている。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

※本日の話題は、特定の企業に対する提言ではなく、ビジネス全般に通底する考え方について述べたものです。

何卒ご了承ください。