人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

マクロのデータを忘れない

人間、目に見えることは理解できるが、目に見えない要素や目に見えない変化には感覚が鈍くなりがちである(当たり前か)。

一つ記事をネタにしよう。

 

https://www.landerblue.co.jp/blog/?p=38645

高齢者の雇用が増えていて若年者のそれが減っているということに対し、政策ミスではなく、若年者人口が減っていて、その穴埋めでボリュームゾーン高齢者雇用が増えているという、マクロな人口動態から解説している。

 

もう一つはこちら。

http://toyokeizai.net/articles/-/213152?display=b

 

タイトルはかなり刺激的だが、人口ボーナスで経営的な甘えが許されていた過去と、グローバルな競争から取り残され、さらに厳しい未来が控える日本経済についての、データを基にした論考である。

この辺りは実は古くから言われてきた議論で、小生が私淑している神戸大学の三品和弘先生も近いことをおっしゃっていたと思う。

 

著書のリンクを貼っておく。

戦略不全の因果―1013社の明暗はどこで分かれたのか

戦略不全の因果―1013社の明暗はどこで分かれたのか

 

 

高成長を続けている企業群においても、長期のインフレ要素を排除し、本業の利益をきっちり追っていくと、エクセレントな会社は殆ど存在しないということである。

裏を返すと、如何にマクロ環境の影響が大きく、個々の企業努力が無力か、ということでもある(全く無力、とまで断言はしないが)。

 

新規事業開発でも、目先の新しさ、わかりやすいビジネスモデルに引っ張られやすいのだが、そのビジネスがよって立つマクロ環境、影響する技術がどう変わっていくのか、荒削りでも予想を立てておかないと、判断を大きく誤りやすいもの。

人口動態、社会保障、国際経済、テクノロジー、この辺りは、常に頭に入れておきたいものである。

 

自戒を込めて。

まぁ、ご参考ということで。