人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

日本の会社にはプロが居ない

まぁ、「居ない」は大袈裟だ。

「結構少ない」位だろうか。

 

エージェント専業で仕事をしていた時に、クライアントの人事で、「いや〜、これまで営業一筋だったんですが、この度どういうわけか人事部長を拝命しまして…、しかしウチのメンバーは優秀で助かりますわ〜」みたいな人にお会いしたことがある。

おいおいメンバーはいい迷惑だなと可哀想に思いつつ、具体的な中途採用ポジションの話になると、「いや、そのポジションはその道の経験が深い人じゃないとダメなんです!!」というご依頼で、「お前がいうか?!」と心で激しく突っ込んだものである。

 

日本の会社には、美しき「ジョブローテーション」という制度があり、時折上記の様な「なんじゃそりゃ」的な事案だったり、異動と共にノウハウがゼロリセットしたり、という非効率が蔓延したりする。

プロでない故に初動が遅れ、それが積み重なると「まずは様子を見る」のが習慣になって、ますます非効率に、なんていう悲惨な事態も起きたりする。

 

なのになぜジョブローテーションがあるかというと、当然メリットがあるからだ。

日本は会社に新卒がまっさらの状態で入ってくるので、当然その時点ではどんな適性があるかわからない。

 

なので色々な職種をローテーションしながら、最も活躍できる適性を探れるという、働く人にとって、大変ありがたいものだったりする。

また、色々な職種を経験するということは、スキルに幅が出るということでもあり、当然視野は広くなる。

 

それに、異動を通じて社内の様々な部署と接点が出来るので、組織の中で「高度な根回し」が出来る様になるのだ。

元々は、高度経済成長期に圧倒的な人手不足になり、みんなでなんでもやらなければならなかったのが発祥、という説もあるので、時代と合わなくなっている面もあるのかもしれないが、会社員である以上、良い点を理解した上で最大限活用し、悪い点を避ける様に動いていきたいもの。

 

もっとも、そういう小生はもはやジョブローテーションとは関係ないワーキングスタイルになってしまったが(苦笑)。

まぁ、ご参考ということで。