人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

エンジニアは何処にいる?

タイトルの問いとズレるのだが、「インキュベーション」と名のつく仕事をしている関係で、所謂スタートアップの方々とお話をするケースがよく有る。
その辺の場面で、よく「登録ユーザー◯◯万人」という類の表現を見聞きするのだが、個人的には「顔の見えない大量の数字」については、あまりあてにしないことにしている(もちろんそれだけユーザーを獲得するのは立派だと思うのだが)。

と言うのも、エージェント稼業を10年やってきて、その間、複数の人材紹介会社に在籍したのだが、結構な割合で転職希望者のデータベースが重なっている気がしていて(とは言え何割も、と言うほどではないが)、年間の転職者が数百万人と言われるのに何故?、という体験があるからかもしれない。
このカラクリを言うと、数百万人の転職者のうち、人材紹介会社経由で転職するのは、実際には2%しか居らず、それを人材紹介会社間で分け合っているから。

さて、タイトルの話に戻ると、最近ではどんな会社でもこの様な問いかけをされることが多い。
あたかも世の中にエンジニアが何百万人も居て、条件や仕事内容次第では、みんな転職するんじゃないか?と採用側は前提にしている様な気がする。

何かの統計やフェルミ推定でもすれば、転職したいエンジニアの母数は掴めるのかもしれないが、さて、みんなそんなに転職したいのだろうか?
採用側もエージェントも、日々転職希望者との接点が多いので、母数から導き出される計算式がずれる様な気がする。

結局のところ、地道に採用に成功している企業というのは、ブランディングも含めた大掛かりな仕掛けを継続できているところか、リアルにエンジニアと接触する機会を作り、個別に交渉しているところが多い。
金をかけるならダイナミックに、そんなにかけられないなら頭と身体を動かすというイメージだろうか。

今日は採用側目線だったが、転職希望者目線でも、「求人数何百万件」のサイトに登録すれば決まるものでもないでしょう、ということだろうと思う。
まぁ、ご参考と言うことで。