人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

シンプルな価値観の人間は強いのだ。

転職理由の鉄板は、職場の人間関係と、以前ちらりと書いた。
そんなこともあってか、転職相談を受けていると、必ずしも年収に拘らない人も多いし、人間関係は人生観の相克だったりもするので、向き合い、寄り添っていると、本当に深い話になっていく。

そうして、「じゃあまぁここはひとつ、お金の話は脇に置いておいて、○○なことが実現できる機会を探っていきましょうか」みたいな感じで、手探り・試行錯誤の転職活動がスタートしていく。
そんなのばっかり!というエージェントの人もいるかもしれない。

ところが、外資系企業の人と話をすると、これが大きく違ってくる。
外資系企業に勤務していると、転職はキャリアアップのための有力な手段の一つ(正確には、ただ勤めているだけではキャリアは上がらない)なので、転職では明確なメリットを「狙って獲りにいく」という意味合いのことが多い。

外資系金融機関にお勤めの方は特にはっきりしていて、「年収が下がるって何でそんな転職するんですか?えっ、私いま何かおかしいこと言いました?」くらいの人が多い。
決して金に汚いなどと言いたいわけではなく、外資系企業に勤務していると、それが一般的だし、小生自身は、メリットを狙って獲りにいく転職は、内資外資に関わらず、積極的にやるべきだと思っている。

しかし手探り・試行錯誤にどっぷり伴走していると、つくづくシンプルな価値観で動ける人は強いなぁと感じる。
実際、仮に年収を上げるために転職をするのだと決めたとすると、自ずと狙う業界、担うポジション、交渉での譲れないポイント、などがドンドン決まってきて、もちろんチャンスは限られてくるんだけれども、だからこそ強い意志で「勝ちに行く」みたいな、ある種スポーツ的な清々しさまで醸されたりする。

そして皆がそうなるわけではないが、狙いが明確ゆえに、転職後も齟齬が少なかったりするし。
つらつらそんなことを目の当たりにすると、結局転職活動を通じて人々が得たいものというのは、次のキャリアそのものだけでなく、人生において迷わないシンプルな価値観、つまりは「心持ち」だったりするんじゃないかと思ったり。

また情緒的だ。
まぁ、ご参考ということで。