人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

天職という幻。

タイトルは過激だと思う。
誰しも職業人生の中で、「これだ!」という仕事に出会い、それに全力で没頭し、物心両面で満たされたいと(多少なりとも)思うことだろう。

そんな風に活躍している人もいるような気がする。
でも、実際に仕事の話を目を輝かせながら語れる人に、どれ程会ったことがあるだろうか?

どんな仕事も良い面と悪い面があるし、極めるほど不断の努力が要求されるし、掛け値なしにキラキラした人の出現率は、1%切っているのではなかろうか?
そんな事が一つ。

それから、どんなビジネスも仕事も、不変のまま、という事はまず無くて、時間の経過とともに、無条件に楽しい、という状況は解消されていくはずである。
そんなことも一つ。

そして子供を育てているとつくづく感じるのだけれども、人間の感情、それもモチベーションとか高次の感情であればあるほど、その感情を持つ経験を積まなければ、理解できないということがある。
楽しい仕事が道端に落ちていて、拾って食べれば即サイコー、なんていうものでは無くて、現実は、日々の仕事を通じて、小さな喜びを味わいながら、「あぁ、これが仕事のやり甲斐なのだ」と、少しずつ実感値を増やしていくものなのでは無いだろうか。

恋愛のあれこれの経験無くして恋愛映画を味わい尽くすことは難しく、家族を育んだ人間が、家族ネタの感動コンテンツにイチコロで参ってしまうように。
だからこそ、その時その時に、自分は仕事を通じた幸せを手にする資格があるという正しい自信を持って、目の前の仕事に対して、意味を見出していくための心持ちを持って向き合う事が重要なのでは。

だから、天職ということでいうと、どんな仕事に就いているのか、ということは結構どうでもよくて、仕事に対して、意味を見出していく向き合い方そのものこそが、天職につながるアプローチなのではなかろうか。
もちろんあまりにブラックな仕事は別として。

また情緒的な話で申し訳ない。
まぁ、ご参考ということで。