今日はクライアントのご招待で、ビックサイトで開催されている「ケアテックス2017」という、介護事業者さん向けの商談会イベントに参加してきた。
この領域の事業検討はまぁまぁ行ったことはあるが、業界インサイドのイベントに参加させていただくのは初であり、感じたことをいくつか。
・衣食住なんでもある
当たり前だが、高齢者の生活をどう支えるか、という事業者の集まりなので、衣服も食事も住宅もある。
衣服や住宅設備などは、高齢者本人目線とサービス従事者目線のものと存在するので、なお広いし、介護事業者向けB2Bサービスなんていうのまであるから、幅は相当なもの。
産業の裾野が相当広いというか、全産業が取り組み得るテーマなのだと考える方が正しいか。
・マッサージ機はフットマッサージ機が現実解らしい
フットマッサージ機のトライアルブースだけで、5箇所くらい目にしたと思う。
もちろん椅子のタイプもあったが展示はわずか。
価格やそれに見合う効果、現場でのオペレーションを考えると、これが一番良いということなんだろう。
・人間の購買心理について
400の出展企業の中で1社だけ、リハビリ用の簡単なトレーニンググッズを、在庫処分的に販売しているところがあったのだが、正直どこにでもあるようなもので、それほど割引されているわけでもないのだが、結構なスピードで売れていた。
このようなB2Bの展示会では、その場で物が買えることは稀だと思うが、大量の商品をアレコレ会場で見ていると、「こんなに物があるのに買えない!」という潜在的なフラストレーションが溜まり、爆発したのではなかろうか。
・課題先進国は世界に展開するポテンシャルを持つ
今回のイベントの中央ブースは、中国の政府機関が結構なスペースを占め、高官からのスピーチもあった。
介護事業は極めてドメスティックなビジネスであるが、課題先進国日本の最先端分野とも言える。
今の日本の介護事業者は、世界に開かれたチャンスを与えられている。
・高齢者の尊厳を守ろう
今回の出展企業で、個人的にとても面白いと思ったのが、こちら。
http://www.otona-gakkou.com/about/
介護施設内で学校をレクリエーションとしてやってしまおうというもの。
高齢者は決して幼児ではないので、幼稚園のお遊戯のようなレクリエーションではなく、学ぶ機会を提供し、認知能力の改善を図りながら、前向きな意欲を引き出すというコンセプトは素晴らしいと感じた。
さらに、学校で学んでいる間は、介護職員の自由時間が生まれるというのも、唸らせるアイデアである。
個人的にはもっと高いレベルの、ガチンコな学校でも良いと思ったが。
参加するきっかけになったクライアントも、高齢者に美味しい食事を提供したいという思いで、新規事業を立ち上げた。
現状の介護食は、残念ながら美味しいとは言えないものがまだまだ多く(もちろんコストの問題が大きいのだが)、やはり美味しい食事を楽しみたいという、人としての根源的な欲求は、もっと尊重されるべきだと感じた。
硬軟併せて長くなった。
まぁ、ご参考ということで。