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8050問題をご存知だろうか。
引きこもりの子供を抱えた家族が高齢化し、親が80代・子供が50代となって、いよいよ切羽詰まる問題である。
詳細はこちら。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/8050%E5%95%8F%E9%A1%8C
新規事業は社会課題の解決もスコープに入るので、以前から関心を持っていた本書を拝読。
しかしビジネスで解決するのはなかなか遠そうである。
本書は8050問題の実態を、事例を引き合いにしながら説明し、関係者となってしまった場合にどのような打ち手があり得るかを解説してくれている。
幸にして引きこもる世界とは縁がなく今に至っているが、実際の経緯を聞くと、誰しも起こりうる話であると感じた。
交通事故で今までの仕事が続けられず、曲折を経てとか、あるきっかけで精神的な不全状態に陥り、とか、いったい誰が「わたしには関係のない話」と言い切れるだろうか。
そう思うと、ちょっと人ごとではなく、本書を読み進む気持ちも穏やかでない。
ただし、これは今の日本の素晴らしいところなのだが、行政や民間で支援してくれる枠組みがあるということだ。
そういった機関にちゃんとhelpと言えれば、なんらかの支えがある。
これは本当に素晴らしいことだし、関係者には頭が下がる思いだし、今まであまり意識してこなかったが、日本人はこのような困難に陥った人々を公的な仕組みで支えるという判断をしたということでもある。
とはいえ、ハッと気付かされるのは、本書に出てくるある老親が「こういった制度はもっと大変な人たちに用意されたものだと思っていた」という一言。
そう、問題は、helpを出すべき人々がhelpを出してくれないということにあるのかもしれない。
さらにいえば、適切なタイミングでhelpを出せるというのは、ある意味スキルであり、それができるのであれば、ここまで追い込まれなかったのでは、ということも。
仕事でも、そんなことは日常味わっているので、いろいろ考えさせられるのである。
まぁ、ご参考ということで。