人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

特定の領域を深く「掘る」

転職の相談に乗っていると、比較的多くの方から、「私はこれといって専門分野がないので…」というようなご相談というか、悩みというか、そんなお話をいただくことがある。
にも書いたが、比較的大きな会社に入社した場合、ジェネラリストとして年齢を重ねていくのが通常であるので、お悩みはごもっともである。

では、専門分野があれば、じゃあ転職は容易なのかというと、それは一概にそうとも言えない。
専門分野はやはり、「専門」なので、その専門性を生かす求人がなければ、転職はできない。

管理系の職種、それも経理とか、人事とかは、一定の専門性があり、なおかつスキルにわかりやすさがあるので、そういう求人さえあれば転職はし易いとは思うが、これも経験を細分化していくと、「この領域の経験はしているが、この領域は経験していない」みたいな感じで、案外当てはまらなかったりする。
そして実は、会社ごとの仕事の進め方に、結構なばらつきがあるので、その領域の経験の有無というよりは、新しい環境での適応力の方が、活躍できるかどうかについては重要だったりする。

故に、「専門分野」があるから転職し易いか、というのは、案外そうでもないのではないかと思っている。
一方で、昔からよく言われている慣用句に、「穴を深く掘れば広くなる」というのがあるけれど、特定の領域に深く突っ込んでいくと、ある種の普遍性だったり、職業人のベースになる成功体験だったりが培われていき、それらが血肉となった時、別の領域でも通用する「広がり」をもたらすのではないだろうか、とも感じている。

何が言いたいかというと、専門領域の経験があるかないか、ということが大事なのではなくて、ある領域の仕事を、どこまで「深く掘った」かが、その後のキャリアの発展を支えるのではないか、ということである。
今の目の前の仕事を、どれだけ深掘りしていくか、そんなことが、かえって新たな世界への道筋につながるのではないか、という風に捉えている。

まぁ、ご参考ということで。