人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

中途採用とプロパーの壁

たまたまだが、ここしばらく立て続けに、新卒で入社した会社しか知らないプロパー社員の限界、みたいなお話をお聞きする機会が多かった。
小生自身も中途採用者として、幾つかの会社に顔を出し、またエージェントとして多くの転職経験者とお話をして、日本のプロパー社員中心の組織というのは、如何に特定の職務の「プロが居ない」局面を作り出すのか、と言うのをイヤというほど味わってきた。

だからこそ、「プロ」として中途採用者が活躍する門戸が開かれている訳だが、中途採用者を雇うプロパー社員側がプロではないので、中途採用者の採用、活用、評価の面で、結局上手く「こなせない」というのが、本当に頻繁に起こる。
そうなると、中途採用者は「あいつら解ってない」と思ってしまうし、プロパーの方も「中途採用者はなんだか扱いにくい」「(あいつらの方こそ)ウチの会社のことを解ってない」という風になってしまい、結局よそ者の中途採用者が退職する、というパターンを、エージェントとして何度となく経験してきた。

小生が、転職希望者側に寄り添ったエージェント業に拘っていたのは、なんだかんだで割りを食うのは転職希望者側という、小生の実体験に基づいた感覚があり、なんだかんだでリスクを負っている側に寄り添うサービスを提供するこそが、間に入るエージェントとしての価値だと思っていたからだ。
ビジネス的な観点からは、異論があるのは重々承知しているが、いちビジネスパーソンとして、意義のある仕事をしたいという思いから、そのようなスタンスになった次第。

まぁそれはともかく、中途採用者とプロパー社員との壁というのは、現に相当の割合で存在し、それをムキになって否定しても、何も前向きな展開になることはない。
中途採用者のスタンスとしては、先ずは「プロ」として、求められるところをキッチリ返していき、それは時に「プロ」としての正しさと、組織としての正しさが噛み合わないことがあるけれど、時間をかけて正しさを訴えかけ、理解をしてもらいながら、組織の中での信頼を積みかさね、自らの意見を受け入れてもらうようになる意外に、無いように思う。

それらのプロセスは多分、2〜3年は必要になってしまうだろうと思う。
それを仕方がないと思うか、大いなる時間の無駄と捉えるかは、それぞれのキャリア、志向によって異なるとは思うし、どちらも正しい判断だと思うが、実態としてはそんなイメージではないだろうか。

まぁ、ご参考ということで。