人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

退職引き止めで待遇アップを交渉してきた話

「余人をもって変えがたい」という人であればあるほど、退職の意向を伝えた時に、強い慰留を受けることになる(まぁ、最近はとにかく辞めさせないというブラック企業もあると聞いているが)。
そうなった時に、時として、年俸・役職・役割などを改善するオファーを提示されることがある。

業界ではこういうのを「カウンターオファー」などと言ったりするが、個人的にはあまり好きな話ではないし、カウンターオファーを受けても、あまり長続きしないんじゃないかと思っている。
なぜかという話は、下記に順を追って。

先ず、なぜ「好きな話ではない」かというと、「辞めるという話をする前に、普段からちゃんと評価してあげなさいよ」と思うからだ。
そうなればそもそも退職しようという話にもなりにくいし、評価してくれていると感じる会社であれば、退職の決意表明前に、相談できる労使関係になっているはずだ。

そして、そういう場合は単なる未練でカウンターオファーを出してきている様にも思う。
また、結果的には「ゴネれば通る」という風にも解釈できる流れなので、企業文化としてどうか、というところだったり、会社の内部的にも波風が立つ話だよな、とも思う。

「長続きしないんじゃないか」というのは、この辺を受けていて、「あいつはゴネ得だ」みたいになると、社内でも敵を作ってしまい、留まった後まともに仕事ができなくなる可能性がある。
そうなると、カウンターオファーを出した側も、「なんだあいつ、待遇を良くしたのに全然働かないじゃないか」となり、結局、居難くなって辞めてしまうことにも繋がりやすい(もちろん、待遇が良くなった以上、それだけで以前より仕事のレベルに対する要求水準は上がっていると思うべきだろう)。

そして何より、一度退職の申し出をした人間というのは、「いつか辞める社員」というカテゴリーに分類され、そうなるとどの道、長期の大きな仕事は任されない、という展開もありうるのだ(この辺は以前書いた)。
「いやいやいや、でもそんなこと言っても、もうカウンターオファーを受けることにして、他社の内定を断っちゃいましたよ〜」という人はどうするか。

これはもう完全に小生の私見で、万人にはオススメしないが、小生がカウンターオファーを受けて現職に留まるのであれば、少なくとも待遇条件(年収・役職)のアップ部分は、辞退する。
「気持ちを新たにお世話になることにします。あくまでゴネ得の様なことはしたくないので」と言えば潔いし、転職騒動で立った波風も、上手に収まるんじゃないかと思ったりしている。

とは言え、個人的には「辞める」と口にした以上、どんなことがあっても絶対に辞めることにしているが…。
まぁ、ご参考ということで。