読もう読もうと思っていた古典。
結論から言おう。
面白いか面白くないかで言うと、決して面白くはなかった。
物語の中の出来事、展開に起伏や意外性が乏しく、あーそんな感じね、という流れ。
ちょっと中盤が冗長な感じもしたし。
しかし本書の価値はそんなことでは失われないとも思った。
本書が提示したコンセプト、全体主義国家によって一人一人が監視され、思想が統制される社会の恐怖と、個人に迫る脅威。
主人公の心情に寄り添うことによって、その恐怖、思想が変わっていくことの恐怖を充分に描いていると思う。
特に新たな言語が発明されて思考そのものをコントロールされたり、矛盾する体制側の論理を受け入れさせる二重思考の概念など、鋭くまたそのようなことが現実に起きていないか、胸に手を当てて考えさせられる。
折々に読まれ、引用されたりして、「私たちは一九八四年みたいな世界を作っていないか?」という投げかけがなされて、色々な形で歯止めになってきたのではないか。
そう考えると、やはり本書は偉大である。
面白くはなかったので、まだ読もうと思うかは微妙ではあるが、読んで良かった。
まぁ、ご参考ということで。
