若い頃にお世話になった社長に質問されたんだよね。
優秀な人材を集めたければ良い立地でカッコいいオフィスを構えた方がいいって言われたんだけど、どう思うって。
当時は採用支援の仕事をしていたから、色んな会社を見比べてどう思うか、意見が欲しかったんだと思う。
経営する側からすれば、オフィスは費用でしかないので、必要な機能を備えていれば十分というか、それ以上の過度な投資は間違った経営判断になるはず。
それよりも適正な報酬とやりがいのある仕事に優秀な人材は集まってくるはず。
いや、カッコいいオフィスに惹かれて入社してくるような人材は優秀と言えるのか?
そんな社長の想いを一瞬で理解してしまった気がした小生は、その想いが理解できるだけに歯切れが悪くなってしまった。
うーん、そういうこともあるかもしれませんね、と。
あれから15年以上経過したけど、正しい答えを持っているかは自信がない。
清潔感とTPOをわきまえていれば、服装はなんでも良いはずだが、オシャレだとよりモテる、みたいなものなんだろうか。
ただ、ちょっと思うのは、「清潔感とTPOをわきまえた」レベルというのは、見た目に頓着しない人が思うよりずっとレベルが高いということ。
ワイシャツとネクタイならスーパーの2階にあるものでも良いということはなく、それなりにちゃんとした値段なりブランドなりが必要になる。
変人的な優秀さで仕事以外は全く興味がないという人もいるが、大概の優秀な人材は、バランスよく能力も感覚もセンスも鍛えられている。
相手の見た目や雰囲気が何を物語るか、くらいの感覚と経験は持ち合わせているのである。
そういう人たちは、無頓着な人を軽蔑したりはしないけど、まぁそういうタイプなんだなという判断はするし、それは自分とはやや違うという判定なんだと思うんだよね。
なので、ある程度のラインは必要だ、というのが15年経過したあとの小生の説明かなぁ、と。
一方でオシャレだとモテると言っても、それはほんの少しだけ、ということでしかない。
「オシャレですね」と言ってもらったからといって人生が劇的に変わることはなく、ちょっと会話の幅が増えるくらいでしかないと思う。
その辺の、無頓着では許されないという話と、オシャレしても大したものは得られないというバランスの悪さが、無頓着な人が直感的に抵抗感があるポイントだとも思うけれど。
まぁ、ご参考ということで。