人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

解説書から入る意義

ハドリアヌス帝からの連想。

 

自省録はもちろん原著もあるし、サマライズされたものや本書のような解説本も多数存在している。

これまでの読書歴では原著に当たるようにしていたのだが(それがプライドというかなんというか)、読了しなかった本が続いたこともあり、なんとなくインスピレーションが働き解説本を読むことにする。

 

結果的には正解。

後で図書館で原著を眺めてみたが、とても読める気がしなかった。

 

難解ではないけれど、冗長だしストーリーとしてまとまりがある訳でもないし、つまらないと思いながら時間を費やして読み切っても、何も残らなかったんじゃないか。

本書では、自省録が書かれた背景や当時のアウレリウス帝の状況を踏まえながら奥深いセンテンスを切り出していく。

 

また、折々に触れられる著者の人生経験がまた味わい深く、読ませる。

場所によっては批判的な論考も寄せているのだが、その是非だけではなく自分自身の意見も問われているようで考えさせられたりもする。

 

そうか、解説書から入るとこういう良さがあるんだな、ということを理解したのであった。

いや、原著だからなんでも素晴らしいわけではないのはわかってるんだけどね。

 

まぁ、ご参考ということで。