Amazonか何かでおすすめされ、図書館で借りる(なんだそれ)。
すごく雑に言うと、「守破離」の概念を為末氏の経験と考察、その道の経験者たちとの対話を通じて再構築したような本。
遊→型→観→心→空という五段階で定義している。
「遊」が「守破離」以前、「型」は「守」で良いとして「観」は「守」であるが同時に「破」の入り口、「心」は「破」であると同時に「離」の入り口、「空」は「離」及びその先、という感じかな。
型にはめる前に「遊び」の段階があるというのが個人的には新しい。
武術の世界ではまず型にはめるのだが、その前に遊びの感覚で思い切りやってみる体験がないと、型にはまった後に「思い切り」できなくなることがある、と言うことだそうである。
まぁありそうだなぁと思うけど、武術で言ったら基礎体力の話かもしれないね。
師匠はそれを「人間体」とおっしゃったけれど、昔の人は生活の中で鍛えられていたから、現代人が武道に取り組むには、武道と別に基礎体力を作らなきゃいけないんだと。
そこで「思い切り」をやっておかないと、先々伸びなくなるという話かも。
本書のAmazonレビューは非常に高いが、まぁそうねという仮説を述べたエッセーのようでもあり、折に触れて読み返すとまた違う感覚が想起されるのかどうか。
とはいえ、ただ熟達のプロセスに取り組み続けるだけで十分楽しいのだ、他人との比較とか勝ち負けでなく、という背中を押されるようなメッセージはもらえたと思う。
まぁ、ご参考ということで。